進む宇宙開発、夢の向こうに何がある?
宇宙に関するニュースが最近増えてきています。中国が月の裏側に探査機を飛ばし、採取したサンプルをもって月を離陸して地球に向かい始めています。今週はボーイングの新型機「スターライナー」がISSに宇宙飛行士を送り届けたし、イーロンマスク氏が率いるスペースXの地上37階建ての大きさがあるとされる巨大な宇宙船「スターシップ」の4度目の無人飛行試験は成功しました。ここにきて明らかに加速度を増している感じがします。
個人的には低軌道のISSのようなステーションが宇宙と地球を結ぶ中間経由地地点として将来大活躍するのだろうとみています。低軌道とは地上から200㌔から1000㌔あたりです。低すぎると空気抵抗があり、高すぎると運動能力が無くなるのでその微妙な位置が高度400㌔あたりということなのでしょう。また宇宙には人体によくない放射線が飛び交っていますが、高度1000㌔から5000㌔あたりにバンアレン帯という放射線を防ぐバンドがありそこより下が宇宙ステーションとして適合環境だということもあります。
とはいえ、月や火星への移住計画は私にはまだあまりにも遠い話で創造力すら湧きあがらないというのが正直なところです。そんな中、ふと思ったのは地球にそれこそ巨大な隕石がぶつかると計算されたとき、月なり火星なりに移住して人類存在の形だけでも残しておくという準備と考えるのがベターなのでしょうか?タイトルは忘れましたがそのようなSF映画をネットフリックスで見ましたが、我も我もと宇宙船に乗り込もうとする人間の欲望と争いが映画ではよく表現されていました。科学と人間の性のバトルなのでしょうね。
出生率低下は生物学と社会的問題2023年の合計特殊出生率が1.20,東京都は0.99となり政府は慌てているようです。少子化対策が叫ばれ、大臣ポストができてから改善したことは子育ての部分であって子供を産む環境改善にはつながりませんでした。私はこのブログで度々私見を述べてきていますが、子育てと少子化対策は全く別物だと思っています。つまり、女性の社会進出を促進するためには旦那の子育てへの関与を深めると同時に子供を安全に預けられるインフラが必要です。その意味で労働者人口が減る日本において女性労働力の確保から子育て支援は意味があるものでした。
しかしそれ以前の結婚して子供を作るという部分は全く別観念だと考えています。そして今の婚礼期に差し掛かる男女にとって結婚はマストではないとみています。男性の中には生成AIの相手と「結婚」する人もいれば同性同士の恋愛は思った以上に深まっています。これはひとえに種の保存という人間本来が持ち合わせている機能に蓋がされている状態だと考えています。たとえば戦時中や貧困期に子供が多いのは大人まで育つ確率論がそこに生じるからです。ところが今のように平均余命が伸びつつづけ、医療技術が大きく進化すると個体が死ぬリスクがかつてに比べて大幅に減少します。
それと併せて考えたいのが経済的問題。子供の教育費もありますが、私はそれ以上に老後の経済的問題のほうが深刻だと思うのです。子供の教育はせいぜい20数年で計算できます。しかも多くは働き盛りの年代の方々です。他方、老後はいつまで生きるかわからない、いくらかかるかわからない、病気になるかもしれないなど不安だらけなのです。しかしこれらは全て人間が長く生き延びるための算段と懐具合との兼ね合いという問題であります。昔は子供が成人してしばらくしたら死んでいたのです。今はそう簡単に死にません。この社会環境の変化が少子化の根本問題だと考えています。
後記 バンクーバーで居酒屋の日本人調理人が殺害されました。哀悼の意を表します。それにしても犯行現場は地元の人なら知っているあまりよくないところ。そしてそこにはテントで定住している浮浪者がたむろしています。調理人氏が飲酒後に友人を家に送ったあとタクシーを見つけようとしたとしても夜中になぜわざわざそこを通ったかです。私なら絶対に避けます。私はレストランのオーナー氏は知っています。バンクーバーで居酒屋ブームの走りとなる店を立ち上げ、一時は日系社会にも貢献していました。彼も憔悴していることでしょう。日本人は安全に無防備なところがあります。海外には海外の常識があることを知ってもらいたいと思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年6月8日の記事より転載させていただきました。