倒産件数が増えたというニュースが目につきます。洋菓子店、居酒屋、ラーメン店、更には建設業など広範囲で中には忙しかったのに倒産するケースもあるようです。基本的には日本国内のビジネスモデルである「一円でも安く」が経営側の体力競争となり、輸入物価の上昇と賃金上昇で余力のない会社が倒産したり事業をたたむケースが増えていると理解しています。

個人的には日本の産業界が大きく揺れていく数年になるとみています。事業継承もうまくいかず、昨日まであったあのビジネス、この店がひっそり閉じていく、そんな絵図が見えてしまいます。もう少し早く体質改善できれば対策はあったはずなのですが残念です。

では今週のつぶやきをお送りいたします。

金利の行方、株価の行方

今週カナダがG7トップを切って利下げを実行、引き続きECB(欧州中央銀行)も予想通り利下げをしました。既にスイスやスウェーデンも利下げに転じており、今後、英国を含め利下げの報道を目にすることが多くなるとみています。いわゆる利上げや利下げは世界経済のサイクルの中で動くのでおおむね各国同じような動きになります。

一方、本日発表された5月度のアメリカの雇用統計は事前予想を大幅に上回る27.2万人増となるも失業率が悪化するなどまずまずの内容。来週のFOMCでは金利水準が維持されると見込まれます。

アメリカでは「今年の利下げはないかも」という弱気な意見すらありますが、個人的には秋にはあるだろうと踏んでいます。

昨年末ぐらいから6月利下げを予想していたのですが、FOMCのメンバーの足並みが揃わないようです。金利が落ち着くようなら消費関連の回復が期待でき、商業不動産危機も少しは状況が改善するでしょう。事実、カナダでは利下げ決定した日、商業不動産関連株は大きく上がりました。またセオリー通りなら借入金が多いナスダック銘柄にはプラスになります。ただ、エヌビディアはカラ売りが積み上がっており、ここからは激しい攻防が繰り広げられ値動きは荒くなるとみています。

一方、日本株ですが38000円台後半のボックス圏になっており、三角持ち合いのチャートになりつつあります。この場合、煮詰まるとどちらかに放れるケースが多いのですが、個人的には下放れする公算があるとみています。一つは日銀が6月13-14日の政策決定会合で国債の買い入れ減額を議論するとみています。その場合、利上げの地ならしとみるべきで秋に0.25%の金利引き上げを想起するでしょう。もう一つは円相場がそれに合わせて反転するかもしれず、それらの場合は株価には厳しいかもしれません。