1. ドイツの輸出シェア

    続いてはドイツの貿易シェアです。

    図3 ドイツ 輸出 シェアOECD統計データより

    図3はドイツの相手国別輸出額シェアです。

    1995年の時点ではフランス(10%)、アメリカ(9%)、イタリア(8%)、イギリス(8%)の順で規模が大きく、日本は4%に過ぎなかったようです。

    2019年には、アメリカが10%と拡大したのに対して、フランス、イギリス、イタリアのシェアは縮小し、代わりに中国が8%と大きく拡大しています。

    日本は2%へと縮小しています。

    特徴としてはやはり欧州(薄水色))地域内での輸出が多いというところですね。

    G7各国以外にも、オーストリアやオランダ、スイスなどへの輸出が目立ちます。

    図4 ドイツ 輸入 シェアOECD統計データより

    図4はドイツの相手国別輸入額シェアです。

    1995年の時点ではやはりフランスやイタリアのシェアが高かったようですが、2019年には中国が最大の輸入相手国となっています。

    ドイツの場合は輸出も輸入も欧州地域内が殆どという特徴が良くわかりますね。

  2. 輸出・輸入の特徴とは

    前回、今回で日本、アメリカ、中国、ドイツと輸出入の多い国の相手国ごとの貿易金額シェアをご紹介しました。

    輸出でも輸入でも各国での中国のシェア拡大が良くわかりました。

    逆に中国から見ると、対アメリカでも日本でも金額は増えていますが、シェアは低下しています。

    また、当然ではありますが日本、中国はアジア圏、アメリカは北米、ドイツは欧州との貿易の結びつきが強い事も確認できました。

    やはり物理的な距離が近い国との貿易がより活発になるという事になりそうです。

    対日本の貿易で見ると、アメリカも中国もドイツも、輸出、輸入ともにシェアが縮小しています。

    貿易における日本の存在感が薄れているようです。

    日本の場合、経済や人口の規模の割には、輸出も輸入も少ない特徴があります。その代わり、日本企業の海外進出は盛んです。

    企業活動のグローバル化は、貿易の活発化と共に、多国籍化も大きな動きと言えますね。

    今回までは貿易面の変化を見てきましたが、次回以降は対外直接投資による企業活動の変化についても見ていきたいと思います。

    皆さんはどのように考えますか?

    編集部より:この記事は株式会社小川製作所 小川製作所ブログ 2024年6月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「小川製作所ブログ:日本の経済統計と転換点」をご覧ください。