そんな時、中国の統治のあり方を模索していた当時の若者に福井準造の著した『近世社会主義』が大きな影響を与えることになる。まさに中国におけるマルクス・エンゲルスとの出会いがそこにはあった。そして日本の成城学園で民族主義に目覚め満州族の清朝を倒すべく立ち上がった陳独秀、早稲田大学で社会主義に触れた李大釗、日本の明治維新に強く影響を受け旧清朝で勃発した辛亥革命を経験した毛沢東らが中心になり、中国において満州国を倒して新たな漢民族国家を建設するべく、中国共産党が生まれた。

これら中国における共産主義革命の最小の胎動は、清朝から満州国を建国し次に日本の傀儡とも言うべき国民党を倒すことを目途として当時、全く新しい政治イデオロギーとしての社会主義国家の建設を目指すことになる。そこには、資本主義に対抗する革命思想があった。そして国民党が建国した中華民国は、日本を含む資本主義の傀儡政府であるとの考え方がそのまま革命思想と結びつくことになる。

中国共産党の思想的源泉はソヴィエト共産党であるが、社会主義革命、共産主義革命の胎動があった日本こそが、実は中国共産党が生まれる為の東洋における社会主義思想の源と捉えるべきだ。言い換えるなら、今の習近平指導体制も、元を糺せば日本の影響下にあると考えるべきだ。

明治維新以後の日本も、果たして、日本にとっての理想的な政治体制とは何か?が模索されてきた。そして、東京の名だたる大学には社会主義を研鑽する動きが高まり、その影響下にあったのが今の中国共産党を作った人々だ。彼らに言わせれば、日本は社会主義革命を達することは出来なかったと嘯くかもしれないが、では、今の中国が果たして、理想的な社会主義国家と言えるだろうか?

以後、続きはnoteにて(倉沢良弦の「ニュースの裏側」)。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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