「年金だけで老人ホームに入れる」と思っている人は注意が必要です。老人ホームには有料老人ホームとよばれる民間施設と特別養護老人ホームなどの公的施設の2種類ありますが、民間の施設は入会金だけで数百万円かかるケースがあります。
また、公的施設は特養だけでも27万人もの待機者がいます。今回は年金だけで入れる老人ホームについてお話しします。50代、60代の早いうちに押さえておきましょう。
年金だけなら公的施設
公的な施設は以下の4種類です。いずれも所得に応じて月額費用が変わりますが、低所得者であれば月額10万円ほどで入居できる施設もあります。
1 特別養護老人ホーム
要介護度が高い高齢者が利用する施設です。初期費用が不要で、民間施設よりも費用がかなり抑えられます。しかし、条件が良くて人気があるため、数年待ちの施設も珍しくありません。
2 介護老人保健施設
退院後に在宅復帰が難しい人を対象とした、医療やリハビリなどのサービスを受けられる一時的な施設です。自宅復帰が目標であるため、入所期間の目安は3ヵ月などの短期です。
3 介護医療院
認知症を患う人など、長期療養が必要な要介護者が入所できる、医師や看護師が常駐する施設です。特養が介護のみを必要とする人を対象とするのに対し、介護医療院は介護に加えて医療ケアも必要な人を対象としています。