メディアは都知事選を面白おかしく報じています。この行方、小池百合子氏次第ですが、たぶん出馬するのでしょう。氏の一流の計算の上で「このメンツなら小池さんに出てもらうしかないよね」という土壌を作りたいのでしょう。女帝の論理です。東京出身者である私から見ると多くの候補者が都政に対するマニュフェストを挙げるのですが、「何もしないけどそこにいて安心タイプ」が東京には最適だとみています。なので石丸伸二氏や蓮舫氏が「やる気満々」になればなるほど都民は離れていき、小池氏に遠く及ばないとみています。さてさて。

では今週のつぶやきをお送りします。

値動きが荒すぎる株式市場

今週、顧客管理データ大手のセールスフォース社の株価が一時20%安となったのは5-7月期の売り上げ見通しが厳しいから、というのが理由。会社の価値の1/5が一日で無くなるほどの理由ではないと思います。同様の激しい値動きは世界の市場、日々どこでも起きています。悪材料のレポートを出して株価下落を狙うようなケースも散見でき、株価の2割、3割暴落は当たり前、また、逆の暴騰するケースも当然起こりえます。

注目している銘柄が一日にして2割下げるのを目にするにあたり、過敏すぎる市場に違和感を感じるわけですが、思うに今の市場参加者は先週も書いたようにビビりで、長期的視野に立てないのだろうとみています。好材料に飛びつき、悪材料で飛び降りる、そして自分で判断できず、レポートや噂で右往左往する、そのような質の悪いマネーが市場を包み込んでいる、そんな気がします。私の長年の投資歴からしても近年のボラティリティの高さはまるで磨きがかかったぐらいに感じます。

より短期志向が強まっている理由は世の中の変化の予想もしづらく、見据えることも難しいことがあるでしょう。大統領選は本来、夢と希望があるものですが、今のアメリカではどっちも悪夢。日本では「岸田氏の余命は短い」と言われながらずっと延命しつづけています。2つの戦争は終わる気配がなく、中国は好き勝手やりたい放題です。投資家の目線が「来年の企業の絵図より今の3か月」と考えるようになってしまえば株式投資はギャンブルと同じぐらい経済や経営の実態とかけ離れたものになるでしょう。「健全なる市場育成」なんて忘れかけた標語ですが、今だからこそ、もう一度思い出したいですね。