セルフレジ不満の声は少数派?

株式会社MS&Consultingが行った調査によるとセルフレジに対する評価は「特に何とも思わない」が最多、「好印象」が続いている。また、調査対象は20歳~59歳の男女となっており、AERAの記事で取り上げられている70代以降の高齢者による不満の声とは違った印象を受ける。つまり、セルフレジ不満の声はあくまで少数派であり、多くの人はむしろ歓迎しているという構図が見えてくる。

しかし、不思議なのは多くの店舗は有人レジ、セルフレジのハイブリッド型であり、仮にセルフレジに対して否定的な人たちがいるなら有人レジを使えば何の問題もない。にも関わらず、「セルフレジはお客さんに労働させているのだから割引をしろ」といった極端な意見が飛び出してくる。これは不思議だ。

セルフレジへの否定的な意見に対してSNSでは「ノイジーマイノリティに屈するとサイレントマジョリティーの利便性が損なわれる」「インフレで人件費も高騰しているので、店舗も生き残りに不回避」「自分自身のメリットのために買い物をしているのに、その対価を求める思考が理解不可能」といった反発が見られた。

あらゆる有人サービスは有料になる

過去記事「変化についてこられない人は置いていく」で書いたが、自分は今後、有人サービスはドンドン有料化するべきだと思っている。

現在は労働人口減少、インフレ経済下でもはや有人サービスをなんでも無償で提供し続けられるマーケット環境ではなくなった。マイノリティに合わせた有人サービスを維持できる店舗は、利益率が極めて高い一部の高級店などに限られるだろう。

レジのお会計サービスもセルフレジの進歩でコモディティ化していくだろうし、我々はその変化を迎合する他ない。「人的サービスは無料」と考える、労働人口も潤沢でデフレ脳だった時代から脱却すべき時が来ているのだ。

誰もが使用する携帯通信サービスはすでに有人サービスとセルフサービスとで棲み分けがなされた。自力で対応するセルフサービスのMVNOは安いが、店舗を持ち有人サービスまでつく大手キャリアは高い値付をしている。高齢者はそもそもMVNOという存在までたどり着けないから目立って大きな不満が起きていないように見える。また、お寿司を食べる際は回転寿司は安く、目の前で握ってくれる店は高めの設定になっているが社会は当たり前のこととして受け入れている。

つまり、すでに一部では有人サービスは有料になっており、スーパーについては店内でサービスのハイブリッド提供をしているから不満の声が出てしまっているに過ぎない。将来的にはセルフレジがより進化して決済の効率化や、利用者は事前の会員登録を必須にするなど対応することで、有人とセルフサービスの店舗を分ければいい。

 

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