この『ロビイング規制法』を軸に、アメリカがここまで落ちぶれたのは、いったいいつどんなことがあったのかという疑問への答えを探っていく。
この法律によって、カネの有り余っていた巨大企業や有力産業団体が、ただでさえ大企業が有利な政治・経済・社会構造をさらに自分たちに有利なものに変えていった。
ここにイスラエル、軍需産業ロビーが金で動く連邦議会議員に群がり立法権を乱用していったのが現在の悲劇にまでつながるのである。
現在その結果、たるみきった軍需産業各社の含み益率が様々な問題を引き起こしており、その影響が旅客機や戦闘機のあり得ない欠陥事故に如実に現れている。
また、アメリカは世界一高い軍備を擁しながら世界一軍事力の強い国ではなくなっているのではないかという疑念も深まってきている。
そして、議員にとっても一番優先順位の高い仕事がカネ儲けになってしまった。
著者は制度設計の重要性も指摘する。
不正が合法化されると、その不正によって利益を得ている連中が結束する。既得権益集団が必死になって権益を守ろうとするため、元の状態に戻すのは不可能に近くなる。
日本でも医療やエネルギー関連で同様のことが大規模に進行しているように見える、われわれもどこかで立ち止まって考えるべき時期に来ているのだろう。
重く、暗い話だが、われわれはアメリカの現状から目を背けず、それを直視しなければならない。果たして、アメリカという文明圏は消滅してしまうのだろうか。
本書をGWにぜひ紐解いてほしい。
アメリカ消滅 史上最強の腐敗国家
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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