文章を書くときの慣行として「5W1H」というものがあります。
欧米では「Five Ws」ですが、日本ではさらに「1H」をプラスして「5W1H」と呼ばれます。文章のテクニックとして「六何の法則」などともいわれています。
「5W1H」の落とし穴多くの文章術の本で「5W1H」は必須スキルだと書かれています。When(いつ)、Where(どこで)、Who(だれが)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)を押さえて書くというものです。じつは、まったくの無用の長物です。「5W1H」を意識しすぎるとかえって伝わらなくなります。
役立たないというのではありません。商談用の文書や報告書を作成したり、共通認識を持たせるためには役立ちます。しかし、考えてみてください。日常会話で「5W1H」で話している人などいません。それでは、「5W1H」で書いた日記を見てみましょう。
<例:5W1H で書いた日記> 朝7時に起床し、お昼の12時(when)に彼女の家に車で迎えに行った(Where)。その後、お台場まで2人(Who)でドライブ(What)デート(Why)を楽しんだ。22時には彼女を家まで送った(How)。
極端な書き方ですが、「5W1H」をすべて使用して文章を作成するとこうなります。不明点やモレはありませんが、まったくしみじみきません。