■「引き返そう」と怯えるユーザー
こうした地下鉄の出入口は、1から始まる数字とアルファベットの組み合わせが多い。そのため「0番」という存在はかなり異質に感じられるが、投稿主が驚いた理由はそれだけではないだろう。
…というのもこのシチュエーション、昨年11月末にSteamにて配信が開始されるや否や、ネット上で大きな話題となったホラーゲーム『8番出口』内の光景と非常に酷似しているのだ。
同作は無限に続く駅の地下通路を歩いて「8番出口」を目指すゲームで、ルールは「異変を発見したら逆に進む」「何も起こらなければそのまま進む」の2つのみ。
スタート時は出口案内板の数値が「0」になっているが、正しい操作をした場合のみ、数値が加算されていく。ただし操作を一度でも誤ると、再度「0からやり直し」となってしまうのだ。そのため、多くのプレイヤーにとって「0番出口」は正にトラウマのような存在といえる。

件のポストは投稿から数日で1.5万件以上ものリポストを記録し、他のXユーザーからは「そこから出たら危ない!」「異変あるじゃん、引き返そうよ」「またループしてる…?」など、恐怖の声が多数寄せられていた。
そこで今回はネットユーザーを恐怖から救うべく、同駅を運営する「東京地下鉄株式会社」(以下、東京メトロ)に詳しい話を聞いてみることに。その結果、驚きの事実が明らかになったのだ…。
■「0番」にそんな意味があったのか…
ポスト投稿主・芹沢さんに発見時の様子を尋ねたところ、話題の写真は東京メトロ町屋駅にて撮影したものと判明。
芹沢さんは当時の心境について「地下から出るときに0番出口を見つけて、思わず写真を撮りました」「PCゲーム『8番出口』の存在は知っていたので、結構真剣に頭がおかしくなったのかと二度見してしまいました…。あの世界に迷い込んだのかと思いました」と振り返っている。
駅構内の出口に振られた番号の規則性について、東京メトロの広報担当者からは「メトロ線内各駅では通常、駅の端から順番に1から出入口番号を振っております」との回答が。
しかし、再開発による接続などで後から新たに出入口ができた場合、出入口の位置と数字の規則性が乱れるケースが起こり得る。
こうした背景を踏まえ、担当者は今回話題となった光景について「通常の順番通りですと末の番号を付与することになりますが、町屋駅のような場合、1番と2番出入口が同じエリアにあり、3番出入口が別のエリアにあるため、4番を使用すると案内サインでの誘導に混乱を生じてしまうため、0番としております」と、説明してくれたのだ。