なんで谷川岳が世界で一番危険なの?

【世界一危険な山】群馬県にそびえる谷川岳を知っていますか?
(画像=『FUNDO』より引用)

実は谷川岳、世界一の「遭難死者数の多い山」なのです。

谷川岳は世界一死者の多い山

谷川岳は日本三大急登にも選ばれている急峻な山です。そのため日本で最も遭難死者が多い山としても知られています。

1931年~2012年までに805名もの遭難死が確認されているようです。実はこの死者数は日本一だけではなく、世界一でギネス世界記録も持っています。

谷川岳での犠牲者がいかに多いか、それは世界の標高の高い山と比較してみるとよくわかります。

世界には標高8,000m級の山が14座ありますが、その14座全ての遭難死者数が640名です。なんと谷川岳で亡くなった人は14座を超えていることになります。

谷川岳で事故が多い理由

谷川岳は初心者でも登れる山として人気がありますが、「一ノ倉沢」と「幽ノ沢」のロッククライミングルートは超危険です。

実際、この「一ノ倉沢」と「幽ノ沢」ルートでの遭難死亡事故が圧倒的に多くなっています。

このルートは岩壁が険しいのはもちろんですが、岩質がもろくて手がかりや足がかりを作りにくい場所になっています。滑りやすい箇所が多いため、事故につながりやすいと言われています。

また、谷川岳の「一ノ倉沢」と「幽ノ沢」ルートは天候の変化が激しいことでも知られています。急激な気候変化が影響して、避難者が多くなっているのです。

尊い命を守るために制定された「群馬県谷川岳遭難防止条例」

避難死亡者数が世界一多い谷川岳では不慮の事故発生を防止し、尊い命を守るために「群馬県谷川岳遭難防止条例」が昭和42年に制定されました。

この条例では死亡事故発生数が多い一ノ倉岳などの危険地区へ入山する登山者に対して、登山届又は登山計画書の提出を義務付けました。

また12月~2月末の冬山期間は危険地区内の登山を禁止したのです。

この条例によって死亡事故は減少したものの、軽装登山者の事故や軽微な遭難事故の出動要請が増加するなどの問題点も浮彫りになっています。