欧州議会で8日、新しい右翼会派「欧州の愛国者」(PfE)が正式に発足した。ブリュッセルからの情報によると、12カ国、84議員が現時点で新会派に所属している。欧州議会では会派を創設するためには最低、7か国、23議員が必要だ。PfEは欧州人民党(EPP)と社会・民主主義者進歩同盟(S&D)についで3番目に大きな会派となる。

オルバン首相を歓迎するロシアのプーチン大統領(2024年7月5日、クレムリン公式サイトから)

新会派「欧州の愛国者」(Patriots for Europe)はウィーンで6月30日、欧州の右派勢力、オーストリアの野党「自由党」(FPO)、ハンガリーのヴィクトル・オルバン首相の「フィデス=ハンガリー市民同盟」(Fidesz)、そしてチェコのアンドレイ・バビシュ元首相の「ANO」の3党の指導者が主導して結成された。ハンガリー政府報道官のエステル・ヴィタリョス氏が8日明らかにしたところによると、フランスの右派政党「国民連合」(RN)も「欧州の愛国者」に参加することを決定したことから、右派会派「アイデンティティと民主主義」(ID)に加わっていた他の政党もPfEに吸収され、新会派に所属する政党が急増し、会派創設の条件をクリアしたわけだ(「欧州右派3党、新しい会派を創設へ」2024年7月2日参考)。

また、イタリアのマッテオ・サルビーニ副首相兼運輸相は8日、右派与党「同盟」が新しいEU議会グループのPfEに参加すると発表した。同相は「長い努力の末、ブリュッセルで偉大な愛国者のグループが誕生した。このグループはヨーロッパの未来を変えるために極めて重要になるだろう」とソーシャルネットワークで述べている。「同盟」はマリーヌ・ルペン氏のRNやFPOとともにIDグループに所属していた。スペインの極右政党「Vox」(ボックス)も、イタリアのジョルジア・メローニ首相率いる欧州保守改革派(ECR)グループから離脱し、PfEグループに加わると発表している。