NHKより

報道の変革が迫られている

東京都知事選でテレビ、新聞は小池知事の3選を大きく取り上げています。私は都知事選における最大の注目点は、人口3万人弱の広島県安芸高田市の前市長で、立候補表明時は「その人誰?」の扱いだった石丸伸二氏が、人口1400万人(有権者数986万人)の東京都の知事選で165万票をわずか2か月で獲得、第2位になったことです。

「小池対蓮舫の闘い」とのありきたりの読みは外れ、蓮舫氏は第3位の128万票に沈みました。都議補選で自民党が8区のうち6区で敗れたところをみると、政治資金の裏金疑惑への批判は続いている。小池氏勝利は自民党の協力があったからではなく、「現職の強みとおばさんスタイルの安定感」という持ち味が勝因だった。

ともかく石丸氏の情報戦術、ネット戦略をみて、政治ジャーナリズムはョックを受けたに違いないと私は思います。石丸氏は知名度のある政治家、論客でもなく、テレビ番組のレギュラー出演者でもない。

選挙速報を聞いていて、「完全に無所属の無党派層」、「情報取得はテレビ、新聞などではなく、ネットが地盤」、「ネット地盤層に向け、受けそうな動画を切りとって、拡散し支持者を増やす」と指摘する解説者がおりました。

出口調査をみると、無党派層は50%です。50%のうち石丸氏に投票したのは36%で最多(小池氏は31%)で、年代別にみると、18、19歳、20〜30歳代は石丸氏が他を圧倒しました。10代から30、40歳代という次の社会を担う層が「ネット地盤層」で、「既成政党とは距離を置き、イデオロギーの枠を超えた政界のアウトサイダー層」との指摘でした。