少し懐かしくもなったが、今なおまことしやかに噂される杉沢村伝説。一人の発狂した男に村民全員が殺害され、地図上から消えたと言われる村だ。2000年ごろには、テレビ局も捜索したがその存在が確認されることはなかった。杉沢村の場合は、発狂した男によって村民が殺されたが、世界にはそれよりも恐ろしく不可解な理由で全住民が忽然と姿を消した町や村が多くある。ミステリーサイト「Mysterious Universe」を参考に、4つの事例をご紹介しよう。
■米・アーカマー住民消失事件
1928年、米・アイオワ州の小さな田舎町アーカマーに住む全住民が忽然と姿を消した。いや正確にはいつ彼らが消えたのかは分かっていない。というのも、住民がいないことが明らかになったのは、1928年に同町を撮影した航空写真からだったからだ。写真に写ったアーカマーの畑は雑草に覆われ、手入れされている様子がなく、人影がひとつもなかったのだ。
その後、アーカマーを車で通過したという旅行客が、同町で奇妙なことがあったと報告。その男は、アーカマーのガソリンスタンドに立ち寄ったが、タンクが空だったことに怒り、町の中心に向かった。だが、そこに到着することはできなかったというのだ。どんなに速度を出しても町の中へ近づけなかったという。
また、アーカマーに到着できた別の旅行客は、かつて賑わっていた町に人影がひとつもなかったと報告している。このニュースは地元紙「Clarion-Sun-Telegraph」などが報じたが、1929年に起こった世界恐慌のため、大きく取り上げられず、注目を集めることはなかった。
後年、人々がアーカマーを訪れると、そこには草木が鬱蒼と生い茂り、町は跡形もなく消え去っていたという。今に至るまでアーカマーの住民がどこに行ったのか、そもそもアーカマーは実在の町だったのかさえ不明だ。