■「煙」自体に効果は無いが…

蚊取り線香の効き目の範囲について、KINCHO担当者は「煙の拡がっている所が、効果のある範囲の目安です。有効成分は火のついている少し手前から揮散し、煙に乗って拡がっていきます。そのため、煙自体に効果があるわけではありません」と、補足を交えつつ説明する。

こうした特性から、蚊取り線香は「風上」に置いて使用すると有効成分が効果的に行き渡るのだ。また、屋外で使用する際は複数箇所にセットすると安定した効果が得られるそうで、KINCHO担当者からは「屋外の広い場所でキャンプなどをする際には、テントの4隅に蚊取り線香を置いておけば、どの方向から風が吹いても蚊からテント回りを守れます」とのコメントが。

■「煙がない所」でも効いてる?

今回の調査結果では、半数以上が「蚊取り線香の効き目の範囲=煙の拡がっている範囲」と思っていないことが判明。こうした傾向を受け、KINCHO担当者は「煙の拡がっている所が効果の範囲ではありますが、あくまで目安です」とも説明していた。

蚊取り線香の有効範囲、全国の半数が誤解していた 「煙で駆除してる」は誤りで…
(画像=『Sirabee』より引用)

同社を代表する「金鳥の渦巻」の効能は、蚊成虫の駆除(殺虫効果)だけでなく、屋外における忌避効果(殺虫成分を蚊が嫌がって近寄って来ない効果)や、屋内への侵入を阻止する効果など多岐に渡る。

こちらの忌避効果に関しては、範囲が「半径約5m」となっており、蚊取り線香使用時のシーンによっては「実際に煙が見えている範囲の方が小さい」という状況も起こり得るだろう。

KINCHO担当者は「屋外で使用する際は風の影響も受けますので、風向きによってもそれぞれ範囲は変わってきます。そういった背景を考慮すると、効き目の範囲と煙が見える範囲にズレを感じるケースもあるかと思います」と、分析していたのだった。

煙の範囲はあくまで「目安」ではあるが、過信は禁物。広範囲をガードする際は、記事内で紹介した「4隅への設置」も試してみてほしい。