親が亡くなったと聞いた瞬間、「良かった」という気持ちになった娘。兄弟のように泣くこともできず、「私は不道徳なのだろうか」と思い詰めるようになった。

■認知症だった母親

海外で暮らす女性の母親は認知症で、ここ2年で症状は急激に悪化していた。自分や孫を見ても、認識すらできない。トイレにも行けずオムツをつけた母親を見るたび、女性は悲しい気持ちになった。

そんなある日のこと、兄から突然電話を受けた女性は、「母さんが死んでしまった」と聞かされた。その瞬間に女性はホッとし、つらいと感じることさえなかったそうだ。