以前にも書きましたが、立憲は本気で蓮舫氏が小池氏の対抗馬になると考えたのか、私は大いなる疑問を持ち続けており、実態は追い出したかったのではないかとみています。私の高校と大学の後輩だし、青学の幼稚園からずっと育った方は青学の中でも別格中の別格なのであまり厳しいことは言いたくないですが、今の蓮舫氏は青学の匂いがほとんどしないのです。これは仮面をかぶっているのか、その時代が嫌だったのかわかりませんが、少しリセットして時間を置いたのち、海外に出たほうが良い気がします。肩に力が入りすぎています。

石丸氏ですが、私が蓮舫氏を破るかもしれないと思ったのは意見に一定の理路整然としたところがあり、小池氏の柔らかさに反して剛速球型である点においてアンチ小池票を取り込めるとみたからです。一部メディアには石丸氏は次は国政か、とも書かれています。政治家がお好きならそれでも良いですが、彼は既存政党に入ってもほとんど役に立ちません。完全な一匹狼型。よってやるなら新党立ち上げなり、無所属でやるべきでしょう。ただ、辛辣なことを言えば彼もポピュラーな男ではなく、好き嫌いがはっきり出るタイプです。

面白いのは石丸氏が抜けた安芸高田市の市長選が昨日行われ、石丸氏の政策を継続する派と批判派の対立となり、批判派が勝っているのです。つまり、石丸氏は確かに安芸高田市に一石を投じたのですが、それは決して心地よいものではなかったということになります。

石丸氏を勝手に分析すると典型的な京大出でかなり変わり者というかユニーク思想型に見えます。言葉が論理的であり、昔の原理研のアジテーションに通じるものもあります。石丸氏の卒業した経済学部はマル経のメッカで「東の一橋、西の京大」と私は思っています。悪く言うと頭脳の回転スピードは良いのにアウトプットとなるトークにおける丁寧さや聞くチカラが全く不足しており、損をしやすくかなり過信家だとみています。タイプとしては堀江貴文氏に近く、堀江氏は石丸氏を推しているのはきっと分身のように思えたのかもしれません。

石丸氏が京大卒業後、三菱UFJから出向でアメリカのユニオンバンクの初代駐在として出されたのが32歳。同行がとてもコンサバな銀行であるがゆえに頭脳明瞭だが、組織プレーが苦手なので一人アメリカに出された気もします。人事なんてそんなものです。そういう意味では石丸氏の166万票は出来過ぎで彼の本質を知らない票が集まっただけだと思います。ポイントは政治家である以上、一人のチカラは知れているということ。世の中の立ち回りが上手にできないのなら事業家か何かのほうが向いているようには思えます。

都知事選総評としては東京都民は改革なんて望んでいないのです。それを無理やり改革するぞ、と言われても都民は「やめてよー」ということです。むしろ小池さんが「生命を守る」と言い続けたのが大正解で「長く生きて今の生活をもう少し楽しませてくれるなら小池さんにお任せする」という人が多いということです。時代の変化の先取りなんてやらなくてもよく、東京人には東京人の確固たるプライドがある、それを肯定し緩やかな改善と改良を行ってくれる人を望んでいる、これが東京の独自性ともいえるのではないでしょう?

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年7月8日の記事より転載させていただきました。