朝令暮改の発想を持つ

リスクを取る、というのは何かしら新しい施策に可能性を感じているからだ。しかし、誰しも見積もりを誤るということをする。だからリスクを取ってみて目論見と違ってダメなら、素早く撤退するという戦略を事前に持っておくべきだ。

「コストを掛けた分、ムダにしたくない!」と前進し続けると余計に損失が拡大してしまう。サンクコストといってムダを嫌い、自分の行動を正当化する思考によるものだ。

朝令暮改の発想を持ち、「この段階までやってみて思うような結果がなければ撤退」と考えるべきだ。言い方を変えると損切りである。損切りができない人は「この施策はこういう結果があるはずだ」という仮説を持っていないまま始めるから泥沼にハマる。逆に仮説を持っていれば、仮説通りにいかない時にさっさと撤退することができるので、次の可能性のある施策に挑戦する。これを繰り返す内にとうとうあたりを引くことができるのだ。

最悪のシナリオを想定する

新しいことをする時は誰しも夢見がちで良いことばかり考えてしまう。だが世の中に完璧はない。必ず想定外のことや悪い面もある。そこで提案したいのが「最悪のシナリオを想定しておく」ということだ。

自分の場合、人前で話す仕事を依頼される際、なれないうちはあれこれ不安要素が非常に多かった。ちゃんと上手に話せるか?質疑応答で答えられるか?セリフが飛んでしまわないか?数え切れないほどいろんな不安が押し寄せてきたが、最悪のシナリオは「恥をかく」ということである。

でも恥をかくのが最悪のシナリオなら大して失うものはない。対して、メリットの方が圧倒的に大きい。しかも、練習をたくさんすれば恥をかく可能性を極限まで低くすることができる。そう考えると気が楽になった。最悪を想定しておくと特攻する覚悟が決まるのだ。

リスクは「慣れ」がほとんどだ。新しい挑戦でも小さく始め、いざ失敗したら素早く損切りをして、最悪を想定しておけば何も怖くはない。逆にそれらを一切考えず白黒の二元思考に陥ると「不安なのでこれまでと同じやり方でいいや」となってしまう。慣れておけば怖いことはなにもないのだ。

 

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