中国は本格的にEU市場での生産を強化して行く方針

いずれにせよ、中国は今後EU圏内での生産にシフトして行くことは明らかとなっている。その第一弾がスペインの日産工場の跡地を利用して中国のChery社が生産を開始する。皮肉なもので、1970年代に日本車がヨーロッパで生産開始となり、それに韓国車が続いた。そして、これから中国車がヨーロッパで「Made in Europe」として生産が盛んになる。

日産は1979年にバルセロナで生産を開始したが、提携先のルノーとの関係から2021年に撤退を余儀なくさせられた。その跡地に中国のChery社が進出するということだ。

Cheryは日産が進出した時に関係をもったスペインのEBROも参加して年間で15万台の生産を目指すとしている。その為の最初の投資資金は5億ユーロ。そのあと12億5000ユーロを投資するとしている。従業員は先ず1000名からスタート。2029年までに年間30万台の生産を目標にしている。

スペインがEU資金をChery社に提供しようとしていることにEUは不満

これに対して、EU委員会が不満に感じているのは、スペイン政府がこの進出に伴ってEU資金をChery社に提供しようとしている姿勢だ。

Chery社以外の中国他社の進出を見ると以下のようになっている。

Geely:ベルギーでモデルEX30やEX90を生産するとしている。 BYD:2026年までにハンガリーで生産開始。当初、年間15万台、そのあと30万台まで生産量を増加させるとしている。 Dong Feng Motor:イタリア政府と現在交渉中で年間10万台を目標にしている。 DR:イタリアのブランド車であるが、中国で部品を生産して半製品でイタリアに輸入している。

以上が、現在明らかされている中国のEVのEU市場におけるプランだ。