個人的にどうもバイデン大統領の去就がありそうな気がしてなりません。トランプ氏との討論会の不出来はバイデン氏では勝てないという明白なきっかけを作り、早く歩けないなど歳を取ったことを自らが認め、短期間に欧州での会議に2度続けて出たことで疲労が溜まり、「(討論会の)ステージで寝そうになった」というのは大統領の執務に耐える体力がないことを明白にしました。このブログがアップされる頃、アメリカではバイデン氏の原稿なしの注目のテレビインタビューがあります。これが決め手になるか、そしてその場合の後任はカマラ ハリス副大統領とされます。さて、私の水晶玉に見えるのは幻影なのでしょうか?

では今週のつぶやきをお送りいたします。

株式市場には心地よいサマーブリーズ!

先週のこの項で「夏枯れ」と申しましたが、「サマーブリーズ」と書けば180度違うイメージになるところが表現力の難しいところ。いや、確かに日経平均は3月につけた高値と並びチャート的には若干過熱感がありますが、上に抜けられる位置にあります。日本企業の第四半期の決算発表まではまだ一か月弱あり次は7月末の日銀の政策決定会合まで大きなニュースはありません。

一方のアメリカは本日出た6月の雇用統計が事前予想とほぼ合致していたものの4月分と5月分が大幅下方修正され、失業率も4.1%と1ノッチダウンしていますので雇用がタイトだという感じからは明らかに緩んでいます。インフレ率も改善が見込まれることから現時点での専門家の下馬評は低いですが、個人的には9月の利下げはあったほうがいいとみています。FOMCが頑なになりすぎて統計数字が改善を通り過ぎて経済失速の可能性が出そうな点が気になっています。この夏の北米における旅行と人の動きは7月第一週としては肌感覚では非常にスローです。

為替については神田財務官の任期満了が間近に迫っており、口先介入以外は動けないはずですから円安が相場次第では進むこともありますが、ドル一強という感じもしません。多分ですが、アメリカも大統領選挙を控え、夢と希望という点でぱっとしないような感じがします。個人的には比較的大きめの株式手持ち銘柄の入れ替えをやる予定です。以前からイチオシのアームは今日も新値を付けていますが、その恩恵を受けると申し上げたソフトバンクGは昨年12月からは株価が既に2倍。時価総額が低いアームの快進撃はまだまだ続くはずです。

未知の国、英国…

トランプ氏が大統領になった時、日本の政権に「誰もコネクションがないぞ」で大慌てになりました。英国での総選挙は労働党が当初予想通り地滑り的勝利となり、キア スターマー氏が5日に首相に就任します。ただ寂しいことに労働党の公約に日本のことは一切触れていないのです。近く新政権が発足するはずですが、日本側とのコネクションが薄く、今頃は外務省や経産省あたりは大慌てでしょう。コネを作るはずの外交官も数年でローテーションをするため、なかなか野党との顔つなぎまでできないのが実情ではないでしょうか?

一番気になるのは日本と英国の今後。近年は外相だったキャメロン氏に1902年以来の関係と言わしめるほど親しく、日本主導のTPPに英国は2018年に加盟。またイタリアを含めた3か国で次期戦闘機を開発し、英国内では日立など日本の会社の活躍もあります。その中で選挙公約からは日本のこと、あるいはアジア外交が二の次扱いになっている点は残念ですが、スターマー氏は当面の外交主力をEUに向けるようなので、日本への当面のウェイトは小さそうな気がします。

それにしても保守党が過去最低の議席数にまで落ち込んだのは3代続いた冴えない首相が保守党のイメージを壊したからともされます。この話は日本では民主党政権発足となった直前の自民の首相が3人、短命だったこととも重なります。ただ英国は労働党政権は14年ぶりとはいえ、日本の民主党政権のように未経験者の集まりとは違うわけで、まずは国内政策を中心で、外交は欧州を主体にアメリカと日本は選挙や自民党総裁選の動向を見ながらの対応になりそうです。スターマー氏は目立たないけれど厳格派のように見えますのでトランプ氏になった場合、ウマが合うのか気になるところではあります。