「お前、馬鹿だな、コーポレートカード作ればいいじゃんか」とおっしゃるでしょう。私はバカではありません。法人カードを作るには会社の代表者、つまり私のマイナンバーが必要なのです。ところが私は1992年に日本を出た身ですのでマイナンバーそのものがないのです。カードの話ではなく番号そのものが付保されていないのです。今年5月27日からは海外在住者でもマイナンバーカードがとれると広報されていましたが、2015年以降に海外に出た方のみが対象。それ以前の人は、と聞けば「データがないし、そもそも必要になること、ないでしょう!」とあっさり言われ、完全非国民扱いなのであります。
そんな中、クレカの不備を補えるのがPayPayでした。これは新発見。クレカ代わりにこれで支払いをすると決済が瞬時ですので売る方も「金さえもらえればいつでもどこでもお届けします」と現金なものであります。
今回日本でいろいろなところでお金を使っていたのですが、現金を使う人は極めて少なくなった、これが私の印象です。クレカで決済というよりスマホ決済ですね。それこそ、suicaでもカード型は確かチップの材料が不足しているのでスマホインストール型が推奨されています。改札を通るときでも私のようにsuicaカードのタッチではなく、スマホタッチが増えているようで同じキャッシュレス電子決済でも私の方がかなり遅れていると認識せざるを得ないのです。
ということはそもそも新紙幣をお見掛けすることはあるのか、これが大きな疑問なのです。もしかすると新紙幣が生まれるのは今回が最後なんていうことにもなりかねない気がします。
日経に「みずほ銀行の加藤頭取『今の店舗、時代に合わなくなる』」という記事があります。記事の趣旨は窓口業務の来店者数が減少する中、銀行ではコンサル業務などを中心に行っていくという内容であります。銀行への来店が減る一つは現金決済が減っていることがあります。私が海外に居ながらにして日本事業の支払い決済を自分で全く滞りなく行えるのは法人用オンラインバンキングで処理しているからです。つまり法人の支払いでは現金を流通させることは稀といってもよいほどなのです。
10数年前までは日本で不動産の売買の際には手付金とか決済代金のうち細かい精算業務は現金で行っていました。不動産屋から支払いリストなるものをもらうのですが「こちらは現金でお願いします」といわれるので「マジか!」とぶつぶつ言いながら多額の現金を支払先ごとに封筒に分けていたものです。これが5年ぐらい前からは「預手(預金手形)でお願いします」に代わってきています。少なくとも札束を持ち歩かなくて済む分進歩したといえるでしょう。
4-5年ぐらい前までは日本に行くときはバンクーバーの両替商で50万円分ぐらいをカナダドルから円に両替していました。為替手数料が高かったのですが、現金大国日本はやっぱり現金だよね、という流れでした。この数年、全くご縁もなくなったのはキャッシュレス世界になったこともあります。そういえばバンクーバーの街中に数多く見かけた両替商も次々と店をたたんでいます。これも時代の流れなのでしょう。
さて、皆さんはいつ頃新紙幣を手にするのでしょうか?新紙幣を見たさに銀行でお金をおろして見せびらかせた後、またATMで預けなおすというかたもいらっしゃるのでしょうね。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年7月5日の記事より転載させていただきました。