音声エージェント構築のためのオープンソースライブラリ

Vocodeは「音声エージェントを構築するためのオープンソースライブラリ」を自称。ドキュメンテーションやAPIレファレンスを公開して、LLM上に音声ベースのアプリを構築するためのツールやアブストラクションを提供している。

コードを数行書くだけでAIによる電話受発信やアシスタント業務、Zoom会議参加などが可能になるという。

Image Credit: Vocode

同社の高いコンポーザビリティや一般的なワークフローに適した即座に使えるツールにより、顧客企業の開発者は音声インターフェイスを簡単に構築・アプリに組込み可能。エンジニアリングにかかる時間と労力を削減し、企業はコア製品やサービスに専念できるとしている。

「人間とコンピューターをつなぐ会話型の音声AIを作り上げること」がミッションだと語る共同設立者のAjay Raj氏とKian Hooshmand氏は、 中学校からの幼馴染。2人は同じ高校に進み、カリフォルニア大学バークレー校では共にコンピューターサイエンスを専攻した。

大学卒業後、Ajay氏はStripeで、Kian氏はBrex(こちらもYCスタートアップ、AIによる企業の支出管理などを行う企業)でソフトウェアエンジニアとして活躍していた。学業以外での共同は、2023年のVocode設立以降のことだ。

調達資金で社員採用・チーム拡大予定

現在、Vocodeの公式サイトではAIによるコールセンター機能を前面に押し出している。リアルな音声や多言語対応、AI教育などの標準装備に加え、利便性を高めるためスケジューリングや支払いといった機能も組み込まれている。顧客への対応状況モリタニングも可能だ。

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無料プランと有料プランで通話時間などの条件が異なるが、無料プラン・月25ドルのプランでも音声による電話受信が可能。見積もりが必要となる最上位プランではAIによる電話発信も含まれる。

急拡大が見込まれるAIコールセンター市場では、当然競争も激化するだろうが、YCが可能性を見出したVocodeの躍進に注目したい。同社は2月に調達した資金を使って社員を採用、チームを10人に拡大するほか、アメリカ国内のテック企業との統合を継続するという。

(文・里しんご)