■“悪魔の手紙”に記されていたのは何か

 では、いったいこの“悪魔の手紙”にはどんなことが記されていたのか。それが下記だ。

・ 神、キリスト、聖霊は“ずっしり重い”存在である。

・ 神は、人間を死すべき運命から解き放つことができると考えている。

・ しかし、このシステムは誰のためのものでもない。

・ 神は人間によって考案された。

・ もしかするとステュクス(三途の川)が実在する。

 ステュクスとは、ギリシア神話において地下を流れているとされる大河で、生者の領域と死者の領域とを分け隔てている境界、つまり三途の川である。

 それにしても、神やキリストの存在が“ずっしり重い”と伝えているが、ある意味では人間にとって“重荷”であり、行動の自由を妨げる存在なのかもしれない。そして神は人間の“不老不死”を実現できると考えているものの、宗教(キリスト教)は誰のためのものでもないというからには、反キリスト思想を表明しているとも解釈できるのだ。いずれにしても“悪魔の手紙”というには、そこまで恐ろしいことが書かれていたわけではなさそうだ。

 こうして“悪魔の手紙”は340年の時を経て解読されたのだが、研究チームはこれを書いたシスターの悪魔に憑依されたという言い分は信じていないという。このシスターには統合失調症などの精神疾患に苛まれていたのではないかと考えられるというのだ。 「個人的には、このシスターが言葉の使い方に習熟していて、新たな暗号を発明できる能力を持ち合わせていたと思います。そしておそらくは統合失調症の症状が悪魔との対話という想像を膨らませるものになっていると考えられます」(ダニエレ・アバーテ氏)

 この“悪魔の手紙”は悪魔に憑依されて書いたものだったかのかどうか、その真偽は今や確かめる術もないのだが、憑依されたのが“悪魔”ではないにしても“自動書記”の可能性も無きにしも非ずだろう。とすれば解読された文面の内容をさらに精査してみてもよいのかもしれない。

参考:「Mirror」、ほか

※当記事は2018年の記事を再編集して掲載しています。

文=仲田しんじ

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提供元・TOCANA

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