化学者を自称するホリプロ所属の日本のタレント、起業家、発明家である村木風海(かずみ)さんによる「ひやっしー」が政府やマスメディアに大々的に取り上げられ、日本の科学技術もいよいよここまできたかと理系の研究者や理系の知識がある人たちからため息が上がっています。
「ひやっしー」は、部屋の中の二酸化炭素を減らして快適にする装置ということですが、実際には部屋の外により多くの二酸化炭素を排出してしまいます。これにより、自分の部屋は快適になりますが、地球全体では二酸化炭素が増え、温暖化や環境問題の解決にはならなりません。
参照:「ひやっしー」に研究者はどう対応すべきか 名城大学理工学部 応用化学科 永田研究室
二酸化炭素を吸収して地球温暖化を防ぐ触れ込みの「ひやっしー」の発明者ですね。製品の解説や特許なども彼のサイトでしっかり検討しましたが,話にならないオモチャです。回せば回すほど環境に悪い代物です。化学の天才ならあんなものは作りません。おだてて人間をダメにした大人は罪作りです。 VQesEaJ7Ou
— こなみひでお (@konamih) December 17, 2023
村木さんは高校2年の時に、総務省が推進するプログラムに採択され、空気中の二酸化炭素(CO2)を回収する技術の研究開発の支援を受けました。2019年に東京大学に推薦入学し、2023年3月に中途退学していました。
ひやっしー問題に私がキレてる理由を端的に分かりやすく一言で表現すると、「もしも私が東大教授だったら、こんなのを重用してる日本は見限って海外に逃亡するから」ですね。
日本政府は日本の科学技術者全員をバカにしてる pic.twitter.com/EPH2gLw24q
— 東大ぱふぇっと🐰20代で億り人達成❗ (@utbuffett) June 26, 2024
2021年には内閣府のムーンショットアンバサダーというものに任命され、国の研究推進事業の広報役を務めました。また、2023年には文部科学省の「核融合の挑戦的な研究の支援の在り方に関する検討会」の委員に就任しました。もちろんメディアにも頻繁に取り上げられています。
まあ村木風海氏の問題は、取り巻きどころか中央省庁まで彼にお墨付きを与えてるところで、まさに霞ヶ関とアカデミアの敗北と言える事案なのではと思うのだ()
— corrupted man (@hetale_x) June 21, 2024
2020年には炭素回収技術研究機構を設立し、CO2を回収すると謳う「ひやっしー」のサブスクリプションサービスを開始しましたが、荒唐無稽な研究で、専門家から「逆にCO2の発生量を追加で増やすだけ」「環境問題にまったく寄与しない」と批判の声が上がっています。
ひやっしーがやってることを簡単に解説。
「冷蔵庫を開けっ放しにすれば地球が冷える!」と同レベルのことをやってる。
小学生でも「おかしい」って分かるよね?
これを評価して海外に発信してるのが日本政府。
日本マジで終わってる。 pic.twitter.com/OkZFdKg3Hk
— 東大ぱふぇっと🐰20代で億り人達成❗ (@utbuffett) June 27, 2024
参照:CO2回収サブスク賛否 手がける村木風海さんの主張と専門家の批判 朝日新聞
政府や行政が率先して科学的営為を逸脱している状況にどう対応すればいいのでしょうか。
ひやっしーどうでもよかったんだけど、例えば小学校に出張講義とか行った時に「ぼくも温暖化に興味があって、ひやっしーみたいになりたい!」という生徒や「環境問題に興味を持って欲しくてひやっしーの本を子どもたちに薦めています!」みたいな先生に出会ったら、なんと言っていいかめちゃ困るな…
— 汚ディーン@山岳環境研究者 (@gl_odean) June 13, 2024
参照:「ひやっしー」に研究者はどう対応すべきか 名城大学理工学部 応用化学科 永田研究室