東京の経済的地位

圧倒的な経済的地位を誇る東京都。東京が日本を支えるのか? 東京だけが繫栄し地方はおいていかれるのか? どちらかは、ゆくゆくは議論していきたいが、とりあえず現状を見てみよう。

面積では日本の1%弱にもかかわらず、人口、国際総生産、就業者数・・・その占有比率は圧倒的な数字である。

都内総生産はあまりかわっていない

小池さんが都知事に就任してからこの8年を見てみよう。令和3年度の都内総生産(名目)は、前年度の109兆4千億円から113兆7千億円。世界各国のGDPと比較しても第18位だそう。東京都の資料によると、オランダ、トルコと同じ程度である。

ただし、年次比較をしてみると、コロナ期を除いても、あまりかわらないというのが現状である。令和3年が113.7兆円と平成29年の113.4兆円から微増程度にとどまっている。

出典:都民経済計算年報 令和3年度

次に、都内総生産(名目)が全国に占める割合は、20.7%ということなので、内訳をみてみましょう。特化係数という指標を用いると、情報通信業や金融・保険業や卸売・小売業がけん引していることがわかります。

出典:都民経済計算年報 令和3年度

都市の実力

世界の都市ランキングを見てみましょう。

総合ランキングは相変わらずの世界3位です。しかし、詳細を見ていくと「トップ3」と言えない部分も見えてくるのです。

分野別にみると、経済は10位、研究・開発が4位、文化・交流が5位、居住が3位、交通・アクセスが8位である。

そう経済は10位なのです。

出典:森記念財団都市政策研究所「世界の都市総合力ランキング」

森記念財団都市政策研究所「世界の都市総合力ランキング」によると、

昨年から大きく順位を落とした都市の1つが10位の東京である。弱みである「GDP成長率」に加え、「ワークプレイス充実度」や「世界トップ500企業」などの強みである指標においてもスコアを落とす結果となった。

ということらしいのです。