シリーズAラウンドで1,200ユーロを調達

そんなQargoは、今年6月にシリーズA投資ラウンドで1,200万ユーロの出資を得た。このラウンドを主導したのはBalderton Capitalである。

陸運の効率化は、そのまま「トラックの走行距離の削減」に直結する。これもQargoのニュースリリースに書かれていることだが、この企業のプラットフォームを採用しているイギリスの陸運会社Anglia Freightは年間20万マイル以上の走行距離削減を達成したという。これは言い換えれば、1日1台あたり20分以上のルート短縮である。

CO2削減にも大きな効果を発揮する。空車状態のトラックはすべての国際便旅客機を合わせるよりも多くのCO2を排出しているそうだが、それ故に「空車の削減」は膨大な量のCO2を減らす効果をもたらすのだ。

当然これは、運転手の「働き方改革」にも関連する。日本でもトラックドライバーの人手不足から起因する「物流危機」が叫ばれているが、これを解消するには「オペレーションの自動化」が必要不可欠だろう。ベルギーのスタートアップの躍進は、決して遠い国の出来事ではない。

(文・澤田 真一)