睡眠時間量・睡眠の質ともに日本は世界最低レベル

日本企業がスマート枕の開発・販売で注目を集める一方で、日本人の睡眠時間は平均7時間22分でOECD加盟国では最短とされた。レスメドによる「世界睡眠調査2024」では、回答者全体の平均睡眠時間は6.8時間とさらに短くなっている。さらに、日本人の40%が「睡眠の質に満足していない」と回答、睡眠時間だけでなく質にも問題があることが判明した。

ただし、日本における睡眠時無呼吸症候群の認知度は世界トップの78%。認知の高さに反して実際に診断されたことがあるという回答は8%で世界最下位だ。睡眠時無呼吸症候群について聞いたことはあっても、当事者意識や自覚のない状況がうかがえる。病院に行くほどの病気ではないという誤解も根強い。

CPAP装置と異なり、医療機器にあたらないスマート枕は、この「病院に行くほどでもない」という認識の層にリーチしそうだ。睡眠時間が世界最短である日本市場には海外企業も注目しており、スリープテックのSleep Shepherd社はフジクラと提携、日本市場に合わせて製品設計を変更・開発したほか、スマートマットレスのEmmaも日本に進出している。

(文・根岸志乃)