世界各国の乗り心地に対する考え方とは?

生産国の道路事情で異なる!? クルマの乗り心地の違いはどうして生まれるのか?
(画像=『CARSMEET WEB』より 引用)

日本では、サスペンションのセッティングが柔らかめだと「乗り心地が良い」と言われるケースが多いです。なぜなら、日本の道路の最高速度は諸外国と比べると低く、狭い道路や交差点が多数あり、高い速度まで加速する必要がないケースが多いため、柔らかめのサスペンションセッティングで路面の凹凸を吸収する方が質感が良いと感じるためです。

一方、速度無制限の道路があるドイツでは、日常的に運転する生活道路でも日本の高速道路の最高速度程度の速さで走行することも珍しくありません。また、高速道路では、200km/h以上の速度で走行し続けることもあります。そのため、高い速度域でも目線がブレることがないサスペンションのセッティングが求められます。

つまり、単に「乗り心地」と言っても、道路環境や速度域によって求められるサスペンションセッティングが異なるのです。よって、日本では柔らかめの足まわりの方が「乗り心地がいい」とされ、ドイツでは高速域でも目線がブレないしっかりとしたサスペンション(ダンピングが効いている足まわり)が「乗り心地がいい」とされます。

このように、道路環境や速度域など、国や地域ごとに異なる運転環境によって、クルマに求められるサスペンションのセッティングや乗り心地に対する考え方が異なることを理解しておくと、クルマの見方や選び方などが変わってくるのではないでしょうか。

文・齊藤優太/提供元・CARSMEET WEB

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