■鈑金・塗装のシニア応募者の傾向についての考察

今回、シニア専門求人メディア「シニアジョブ」に掲載された鈑金・塗装求人の応募者について、主に就業決定者と不採用者の比較を行っています。就業決定者の単独の傾向では、未経験者の就業決定があったため、特徴のない結果となっています。また、平均応募件数や平均年齢、経験年数の分布にも、就業決定者と不採用者に大きな差は認められませんでした。

しかし、不採用者を経験年数の多いグループと未経験のグループ、応募件数の多いグループと少ない(1件のみ)のグループといったように細分化すると、特徴が見え始め、経験年数が多くても応募件数が少ないと不作用となりやすく、応募件数が多くても鈑金・塗装未経験では不採用となりやすいのではないかという仮説が立てられるようになりました。

これらのことから、シニア向けの鈑金・塗装の求人では、経験年数が多い求職者が多数の求人に応募することで、採用されやすいと考えられ、今回、未経験者が就業決定していることはイレギュラーである可能性が高いと考えられます。また、求職者の年齢は合否にまったく関係ないと思われます。

なお、参考までにシニア専門求人メディア「シニアジョブ」掲載の自動車整備求人の就業決定者についても傾向を求め、鈑金・塗装の就業決定者のデータと比較したところ、平均応募数や平均年齢に大きな差がなく、一方、自動車整備経験については「20年以上」の経験者が100%であり、今回、たまたま未経験者の就業が決定することがなければ、鈑金・塗装でも同様の結果になったのではないかと予測しています。

■調査概要

シニア専門求人メディア掲載求人における鈑金・塗装の求人応募者の傾向調査

  • 調査期間: 2022年8月15日〜2024年6月28日

  • 調査機関: 自社調査

  • 調査対象: シニア専門求人メディア「シニアジョブ」に掲載された鈑金・塗装の求人に対し、上記調査期間内に応募した28名(※1)(※2)

  • 対象地域: 全国

  • 調査方法: シニア専門求人メディア「シニアジョブ」に掲載された鈑金・塗装の求人に対し、上記調査期間内に応募した求職者の傾向を調査

(※1)調査対象の求職者には、同期間内に登録したものの、何らかの事情で就職活動を停止し、記録の一部または全部が削除された求職者、登録が完了していない求職者、あるいは求人企業の登録データが削除されるなどして内定に至った記録を追えない求職者は含まれない。

(※2)調査対象の求人の職種は、求人情報の仕事内容、および求人企業の事業概要から判断しており、機械加工の板金加工、建築塗装などは含まれない。