世界各国の子どもたちに比べて、日本の子どもたちは自己肯定感が低いと指摘されています。また日本人は、遺伝子的にストレスに弱いことでも知られています。
そんなお子さんたちのデリケートな心に寄り添い、さらに内面から強くしていく一冊を紹介します。
「12歳から始める心が折れない技術」(堀田秀吾著)秀和システム
「不良」がモテる理由人間は、少し異なるものに注目しようとする傾向があります。これは動物として命を守るための本能だと、堀田さんは言います。
「たとえば、天気だけ考えてみても、晴れの日もあれば雨の日もあり、それどころか台風が来る日や大雪がふる日だってあります。何かいつもとちがうもの、ふつうとちがうものがあったら、自分にとって危険をおよぼすものかもしれません。ですから、まわりに注目しておく必要があります。自分の命を守り、種族を守るために必要な本能なのです」(堀田さん)
「不良は、ある意味、ふつうとちがいます。ゆえに、目立ちます。ですから、まず注目されやすいわけです。そして『単純接触効果』といって、目にする回数が多いほど好意をいだきやすいという心理効果があります。とくに女性は強い男性の遺伝子を子孫に残したいので、強い男性にひかれやすいと言われています」(同)
不良にはルールを守らなかったり、悪いことをあえてするようなイメージがあります。強気で腕力が強く、見た目も派手な人が多いでしょう。これは勇気のいる行動だと、堀田さんは言います。
「そういったことができる不良は、強い生物だという印象をいだかせやすいでしょう。だから、ひかれやすいのです。さらには『ゲインロス効果』という心理効果が働くこともあります。ゲインロス効果というのは、好意的に接する場合と非好意的に接する場合のパターンによって、相手の印象が変わるという理論です」(堀田さん)
「好意的に接する場合を『デレ』とよんで、非好意的に接する場合を『ツン』とします。ずっとツンな人が、最後にデレとなると、相手からの評価がいちばん高くなるということが実験でわかりました。つまり『ツンデレ』が最強だということです」(同)