21世紀の最大の課題の一つは人工知能(AI)を人類の発展の中で如何に調和した助け手とするかだろう。世界の政治家、有識者、専門家たちはここにきてAIの規制問題で話し合いを重ねてきている。その中の一つ、「ローマコール」と呼ばれる国際会議が来月9日から2日間の日程で広島で開催される。

G7サミット会議に初参加し、AIの倫理問題で演説するフランシスコ教皇(2024年6月14日、イタリアG7サミット公式サイトから)

ローマ・カトリック教会の総本山バチカン教皇庁生命アカデミーは25日、「複数の世界宗教の代表者が、バチカンが立ち上げた人工知能に関する自己拘束プログラムに関する国際会議『ローマコール』に参加し、AIと倫理に関する宣言に署名する予定だ。会議は日本の広島で開催される」と発表した。

同イベントは「平和のためのAIの倫理:世界宗教がローマコールに署名する」と題されている。会議の開催地に広島が選ばれた理由は、「広島が破壊的な技術の影響と平和への継続的な探求を他のどこよりも具現化してきた都市だからだ」という。主催者は、教皇庁生命アカデミーのほか、Religions for Peace Japan、アラブ首長国連邦のアブダビ平和フォーラム、イスラエルの大ラビナートの宗教間関係委員会だ。

「ローマコール」はバチカンの提唱を受け、世界の宗教指導者がAIと倫理問題に取り組む会議だ。「ローマコールAI倫理」(「Rome Callf or Ethics」)は、人工知能の発展が人類の福祉に貢献するよう倫理的原則に基づいて行われることを目的としている。この文書は2020年2月28日にローマで教皇庁生命アカデミー、マイクロソフト、IBM、FAO、イタリア政府によって署名され、「アルゴリズム」に類似して「アルゴ-エシックス」と呼ばれている。