それを無視して一人にだけ外の市場価格で報酬を払うというのは、まず普通の会社には出来ない話でしょう。

もうだいぶ少なくなりましたけど、いまだに「日本人の給料が上がらないのは終身雇用のせいだ」というと真っ赤になって反論する人がたまにいます。

でも現実を見てください。あのグリコが、看板商品の出荷停止という危機打開のために広く勇者を求めるその対価が年収500+α万円ですよ。

グリコの人事部だってこれじゃ採れないだろうとわかってるでしょうけど、終身雇用だとそれしか提示できないんだからしょうがないんですよ。

「定年まで安定して雇用されるのは十分魅力的だろう」という人もいるんですが、優秀層というのはそもそも「そんな保証なんて必要ないからもっと払え」というような人たちです。

一応フォローしておくと、実際には同社は1千万円くらいは出すつもりなんだと思います。ただ恐らく管理職扱いになるので、中途でいきなり管理職にはしたくない等の事情があって、1年目は500~800レンジにおさめつつ、2年目以降で昇給させるつもりなんでしょう。

まあそれでも求める水準の人材が採れるかは微妙でしょうけど。

以降、

・2つの労働市場の格差はかつてないほどに拡大している ・労働も単なる一商品にすぎない

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Q:「人事組織の能力と専門性を高めていくためには?」 →A:「とりあえず自社の課題と他社の取り組みをレポートしてみるのはどうでしょう」

Q:「262の法則は不可避でしょうか?」 →A:「避けられないため、固定化を回避する工夫が必要です」

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編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’sLabo」2024年6月27日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください。