■中世の首無し族

 やがてブレムミュアエ人の伝説は様々な旅行記や冒険譚に登場するようになる。例えば古代マケドニアのアレクサンドロス大王の物語(アレクサンドロス・ロマンス)などにも組み込まれ、そこでは胸に顔がある金色に輝く剛毛の巨人として描かれた。さらに14世紀にヨーロッパ、中近東、アジアなどを旅したイギリス人騎士ジョン・マンデヴィルの著書『東方旅行記』にも首無し族との遭遇が描かれている。

首無し族「ブレムミュアエ人」は実在した!?頭と胴が一体化、旅人の目撃証言多数
(画像=アレクサンドロス大王と首無し族。画像は「Wikipedia」より引用,『TOCANA』より 引用)

 ブレムミュアエ人の人気は当時の地図からも見て取れる。当時の地図にはその土地の地形や特徴、珍しい動植物などが描かれていたが、ブレムミュアエ人も多くの地図に登場している。ある地図には、胸に両目があるタイプと肩に両目があるタイプの二種類のブレムミュアエ人が描かれている。なお、両目の位置の違いは男女の差であるとも考えられていた。

首無し族「ブレムミュアエ人」は実在した!?頭と胴が一体化、旅人の目撃証言多数
(画像=画像は「Wikipedia」より引用,『TOCANA』より 引用)

 大航海時代を迎え、世界各地が探検されるようになると、イギリスの探検家ウォルター・ローリーらが南米ギアナ周辺で頭がなく胴体に顔がある人々の噂を報告している。その姿はもちろん当時の地図に描かれている。

首無し族「ブレムミュアエ人」は実在した!?頭と胴が一体化、旅人の目撃証言多数
(画像=画像は「Wikipedia」より引用,『TOCANA』より 引用)

 首無し族の正体として、片膝を地面につき、首をかがめて移動する先住民たちの姿を誤認したものという説や、胸当てに描かれた顔を見間違えたという説、さらには類人猿を見て勘違いしたという説など、もっともらしい説明がいくつもなされている。古来より、多くの人々が目撃し、語り継いできた首無しのブレムミュアエ人とは一体何者だったのか。世界が探検しつくされ、首無し族が存在しないことを知った現在、残っているのは先祖たちが残した素朴で心惹かれるイメージだけである。

参考:「Wikipedia」、ほか

※当記事は2022年の記事を再編集して掲載しています。

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提供元・TOCANA

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