日経に「訪日客消費、年7兆円に拡大 自動車に次ぐ『輸出産業』に」とあります。いわゆる輸出産業といえば自動車とか半導体、鉄鋼などが思い浮かびますがこれらは貿易収支の輸出欄で表記される一方、訪日消費はサービス収支に反映されます。
そのサービス収支、基調は赤字でしたが、5月度に黒字転換となっています。ただ、日経の数字の捉え方は訪日外国人が落としたお金という片面の収支で見ていますのでここはやや気を付けなくてはいけません。
何故なら円安は外国人にとってはプラスですが、日本人からすれば「海外旅行、高くて行けないよね」で80年代から始まった個人旅行ブームも経済的理由で沈静化しかねないからです。おまけに日本人が大好きな「近い、安い」の観点で考えるとかつて大ブームだったグアム、サイパンは下火、ハワイも好きな人は行くのでしょうが、個人的には良く飽きもせずに行くなぁと思います。
では他の「近い、安い」では韓国は好き嫌いがあるし、中国は帰りの空港で捕まりたくないので行きたくありません。台湾、ベトナムは物価的にもありかもしれませんが、フィリピンという時代ではなく、それ以外となると近くないという問題を抱えます。
とすれば我々日本人としては為替の不平等さもあり、外国人をおもてなしし続けざるをえないとも言えます。
ではどれぐらい恩恵があるのか、といえば日経によると1-3月を年換算すると7.2兆円で自動車に次ぐ2位で3位の半導体(5.5兆円)のはるか上に行っています。また、訪日外国人は政府戦略の一つで今年は今のペースでいけば3500万人ぐらいになりそうで、最終的には6000万人を目指すとされます。たぶんその頃には自動車産業も追い抜き、日本の稼ぎ頭になるのでしょう。