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出し抜いた候補者たち

東京都知事選の選挙公報が配られてきました。唖然、茫然です。回を追うごとに違和感のある候補者の広報が増えてきており、今年は一挙にタガが外れた感じです。14ページもあるこんな広報紙を都民722万世帯に配布し、都内1万4000か所にポスターを貼る掲示板を設置した都選管は間抜けとしかいいようがありません。

候補者の方は狙いを定めて悪計を練り、選管が気がついた時には、「時すでに遅し」で防ぎようがなかったか。民主主義の基盤である選挙の精神を踏みにじった候補者を責めるより、こんな広報を722万世帯に配った都選管の間抜けぶりに、愕然とします。事前情報はたくさんあったはずで、想定外では済まされない。

最もひどかったのは「NHKから国民を守る党」です。立花孝志党首ひとりに選挙公報がハイジャックされたような惨状です。候補者56人中、19人が「NHK・・党」から出馬し、1人当たり横長に40センチ、縦20センチほどのスペースのうち、35センチを立花党首の独演に割き、各候補者のスペースは横5センチに過ぎません。

泡沫候補を19人立ててスペースを確保し、そのほとんどを使って立花党首の名前を大書し、的外れの暴論、奇論で埋め尽くしております。「NHKに受信料を支払う人は馬鹿だと思います。NHKをぶっ壊す」と。19人の候補者は片隅に追いやられ、ダシに使われている形です。