日本有数の特別豪雪地帯であり、ユネスコエコパークに認定されている福島県只見町。「ねっか奥会津蒸留所」は只見町の4人の米農家と1人の醸造技術者によって、2016年から自分達の米を用いて米焼酎造りを始めた酒蔵だ。

そんな情熱溢れる「ねっか奥会津蒸留所」が新たにリリースした“ほぼ日本酒”の「HOBO」とは一体どんな酒なのか?

100%只見産米の米焼酎「ねっか」と「HOBO」

ねっか奥会津蒸留所の代表銘柄といえば、2016年から蒸留をスタートした「米焼酎ねっか」だ。

自社田圃で栽培する只見産米にこだわったもので、米作りのプロが作る酒米と、全国でもトップレベルにある福島県の醸造技術を融合させた米焼酎として、俄に注目を浴びている。

ほぼ日本酒ってどういうこと?まったく新しい酒の正体とは?
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

味わいでいえば、日本酒に比べて2倍以上の香気成分を含みつつも香りが変わることなく、キレのある味わいで和食との相性が非常に良い。

2017年の販売開始年には「IWSC2017」でシルバーメダルを受賞。その後も2018年に「HKIWSC2018」ゴールドメダル、2019年「CINVE2019」で最高賞、2020年は姉妹銘柄「ばがねっか」と共に「TWSC2020」ゴールドメダルをダブル受賞するなど、その評価は高い。

さらに2024年にいたっては、「TWSC(東京ウィスキー&スピリッツコンペディション)」で最高金賞を得ると共に、殿堂入りも果たした。

そんな中このたび新たに登場したのが、“ほぼ日本酒のリキュール”「HOBO」である。

そしてその誕生には、もう一つ触れなければならない酒がある。

甘酒?日本酒?前代未聞の酒造り

蒸留所のスタートから8年足らずで高い評価を得る米焼酎を造ってきた「ねっか奥会津蒸留所」は、2021年に輸出用清酒製造免許(交付第一号)を取得。

それと同時に日本酒の醸造を開始している。そして生まれた日本酒「流觴 -Ryu Sho-」は輸出に適した酒である。

どういうことか?

温度管理や品質保持がデリケートな日本酒の輸出という課題に対して、「米焼酎ねっか」を醸造用アルコールとして添加することで、ほぼ変性することがない吟醸香をもった日本酒となったのだ。

ほぼ日本酒ってどういうこと?まったく新しい酒の正体とは?
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

つまり、自分達の酒米で造る日本酒の醸造に、自分達の酒米で造った米焼酎を使うということ。とても理にかなっているといえる。

その日本酒をベースに、搾った甘酒を加えることで誕生したのが“ほぼ日本酒のリキュール”「HOBO」である。

ほぼ日本酒ってどういうこと?まったく新しい酒の正体とは?
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

このような前代未聞の製法はこれまでにはなく(現在、特許出願中)、さらに味わいも非常に豊か。米焼酎由来の華やかな吟醸香、甘酒由来の甘さもありつつ、しっかりとキレのある日本酒の味わい

ほぼほぼ日本酒でありながら、酒税法上でリキュールの扱いとなる、非常に興味深い酒なのだ。