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コロナワクチンに不利な情報が流れると、すかさずファクトチェクがはいる。

最近、BMJ Public Healthに掲載された論文”Excess mortality across countries in the Western World since the Covid-19 pandemic: Our World in Data estimates of January 2020 to December 2022”がそのターゲットになった。

以下にこの論文の要旨を述べる。

超過死亡はパンデミック前の2015〜2019年の死亡数をもとに季節変動を考慮して算出された。欧米やオセアニアに位置する47カ国における2020〜2022年の超過死亡の総数は3,098,456人であった。

2020年には、各国においてロックダウンなどの封じ込め対策が取られたが、41カ国(87%)で、1,033,122人の超過死亡があった。2021年には、封じ込め対策のほか、ワクチン接種が加わったが、42カ国(89%)で、1,256,942人の超過死亡があった。2022年には、ワクチン接種は継続され、封じ込め対策は中止されたが、43カ国(91%)で、808,392人の超過死亡が見られた。

3年間にわたって様々な対策を行ったのにもかかわらず、超過死亡は減っていない。各国政府は、超過死亡が継続していることを憂慮し、徹底的にその原因を調査すべきである。

至極まともな結論で、ファクトチェッカーのターゲットになるような内容とは思われない。コロナ禍の3年間における超過死亡の傾向を述べただけで、その原因についても議論していない。もちろん、ワクチン接種と超過死亡との関連についても言及していない。

強いて言えば、以下のワクチン接種と超過死亡との関連を言外に匂わせた文章がファクトチェックのターゲットになった理由かもしれない。

“Transparency towards potential lethal drivers is warranted”

アカデミアにおいても、コロナワクチンについて自由な議論が許されない状況が続いている。

まず、コロナワクチンに不利な内容は、主要な医学雑誌には掲載されない。さらに、査読済みの論文に掲載されても、いかなる理由によるのか、その後撤回されることさえある。

それでは、いかなる理由を根拠にファクトチェッカーは、超過死亡とワクチン接種との関連を否定したのだろうか。

Linking COVID Vaccines to Excess Deaths Misguided, Millions Saved

その理由として用いられているのが、英国政府統計局(Office for National Statics、ONS)が発表するワクチン接種歴と全死亡率の関連を示すデータである(表1)。

表1 全死亡に対する年齢調整死亡率とコロナワクチンの接種歴英国政府統計局