自由至上主義者のミレイ大統領はテラムを閉鎖

ミレイ大統領は大統領選挙戦の時からテラムを閉鎖することを公約していた。そして3月にそれを正式に発表して同社の社屋を閉鎖した。閉鎖したのも2つの理由からである。中立的な姿勢での政治報道に欠けるということ。更に、今年もこのまま営業を継続すれば60億ペソ(10億円)の赤字が見込まれるという理由からである。

テラムは1945年4月に創設されたが、キルチネール派のが政権に就いてからテラムは同政権の報道機関という役目に甘んじて来た。そうすれば、政府からの公的資金もより多く支給されるからである。ところが、昨年12月に自由至上主義者のミレイ氏が大統領になると、左派で統制経済路線を歩んで来たキルチネール派のお抱え報道機関が存続することが許されないとミレイ大統領は判断した。この影響で、全国に支社をもって報道していた755名の従業員も解雇された。

スペインもキルチネール派政権と同じ道を歩んでいる

スペインでも現政権のサンチェス首相はキルチネール派と同じ道を歩んでいる。そこで、彼がお抱えの報道機関として支配下に置いたのが、民主化以降スペインの代表紙であったエル・パイス(El País)だ。

同紙の政府に関係した報道内容は真実を歪めたものになっており、今では事実を報道するというジャーナリズムの精神とは程遠いものになっている。だから、創業時から成長期まで活躍した記者は同社を出て特に独立系のデジタル紙で活躍している。同様に国営放送や民放1社も政府のお抱え報道機関に変身している。