一つの政権が国を長期支配するのに重要なポイントは、司法と報道メディアを支配下に置くことである。それをラテンアメリカで完璧に行なっているのが、独裁国家のキューバ、ベネズエラ、エル・サルバドル、ニカラグアである。
例えば、ベネズエラではチャベス前大統領は政府に批判的なメディアは法的に理由をつけて閉鎖させるかまたは政府の支配下に置いた。例えば、ラジオは33局、テレビは1局が閉鎖を余儀なくさせられた。また新聞記者も多くが国を去った。
アルゼンチン前政権のお抱え報道メディアアルゼンチンで昨年12月にミレイ大統領が登場するまで、延べ16年続いたキルチネール派の政権で政府のお抱えメディアとして庇護を受けて来たのがテラム(TELAM)である。テラムは全国にネット網をもっている国営通信であった。同通信社が発信する政治記事は常にキルチネール派の姿勢を擁護する報道になっていた。
怖いのは、テラムは一日に500本の記事を地方紙や世界の報道機関など800カ所に配信していた。ということで、政府が行っている政治について好意的な内容になって政府のやることを宣伝していたということだ。また報道写真も日毎に200枚発信していた。