ベネッセコーポレーションが、2025年4月にスタートさせる通信制サポート校「Be 高等学院」。
このメディア向け説明会が6月12日、Be 高等学院の生徒が通う予定のキャンパスにて開催されました。当日は、新しい学び方やプログラムの概要などが発表されました。
「Be高等学院」は、ベネッセコーポレーションが創業以来つちかってきた「教材」「データ」「人」をフル活用して運営される、あくまで“サポート校”。連携校での高校卒業資格の取得サポートはもちろん、卒業の先にある1人ひとりの「自分らしい」進路を見つけ、目標をかなえるためのサポートも行われます。
コースは高校卒業の単位取得を目指す「基礎科」に加えて、難関大学や海外大進学までを視野に入れた「進学科」の2コースを設置。キャンパスに週数回通う「通学スタイル」または在宅オンラインでコーチがサポートする「オンラインスタイル」のどちらかを選択可能とのことです。

■ 「不登校」ではなく「否登校」を選択する生徒が増加
説明会では最初にベネッセコーポレーション Be 高等学院学院長の上木原孝伸さんと教育ジャーナリストの中曽根陽子さんが登壇。「通信制サポート校のこれまでとこれから」をテーマに、対談が行われました。
上木原さんは、通信制高校の生徒数の推移を表したデータを紹介。これによると、全日制と定時制を合わせた全体の高校生の数は減少しているものの、通信制に通う高校生の数は増加していることが分かります。現在では高校生の12人に1人は通信制に通っているそうです。

増加している背景には「不登校の生徒が増えているということがある」と上木原さん。これには中曽根さんも共感。不登校になっている生徒が増加していることを肌で感じているそう。
また不登校の考え方も変わってきており、積極的に行かないことを選ぶ生徒も多く、「不登校」ではなく「否登校」になっていると中曽根さんはいいます。そのため学校の在り方も変わっていかなければいけないと語ります。

さらに上木原さんは、通信制を含めた現在の高校教育の課題も紹介。学校生活への満足度や学習意欲が中学校段階に比べて低下しており、その学習意欲を喚起し、可能性及び能力を最大限に伸長するためのものへと転換することが急務であるそう。
現在は産業構造や社会システムが「非連続的」とも言えるほどに急激に変化しており、高等教育機関や実社会との接続機能を果たすことが求められているのだとか。
さらに高等学校においては、社会経済の変化を踏まえながら自己のキャリア形成と関連付けて生涯にわたって学び続けていける、学びに向かう力の育成やキャリア教育の充実を図ることが必要であると語ります。

上木原さんからは「ドリハラ」という言葉も飛び出します。これは夢を持つための情報量や選択肢が少ない中で、高校生がまわりの大人たちから「夢を持ちなさい」と言われること。
上木原さんはそんな高校生たちに世の中にはこんなものがあるという情報を教え、キャリア教育を充実していきたいとのこと。
■ 「Be 高等学院」で生徒が抱える3つの悩みを解決
このような現状の中、ベネッセコーポレーションが新たに始めようとしているのが通信制サポート校「Be 高等学院」。
上木原さんによると、通信制に通う生徒や保護者の不安として、「学校になじめて友だちができるか」、「将来やりたいことが見つかるか」、「高卒資格が所得できるか」の3つが多く挙げられるとのこと。

通信制サポート校「Be 高等学院」では、「友だちができるか」などのコミュニケーションの不安を解消するために「ovice(オヴィス)」を活用。これはバーチャル空間に「Be 高等学院」のキャンパスを作ってオンラインでコミュニケーションを取るものです。

生徒はログインすると登校したことになります。アバターを動かし、他の生徒のアバターに近づいていくと話し声が聞こえ、会議室に入ると外からは話していることが聞こえなくなり、大切な話もできるそうです。