目次
3. 天神の屋台での2軒目:あごだし亭きさいち
4. 天神の屋台での3軒目:ともちゃん
3. 天神の屋台での2軒目:あごだし亭きさいち
蒸上さんを後にして、天神北方面に少し歩くと見えてきた「あごだし亭きさいち」さん。
開放的で明るい店構えです。
味のあるのれんと、多彩なおでんメニューが誘惑してきます。
のれんをくぐると、おだしのいい香りが......!! あごだし亭きさいちさんでは、常時30~40品のおでんと、自慢のあごだしを使用した一品ものが楽しめます。ここでしか食べられないメニューがたくさんあって、どれを頼もうか迷う......。
1品目は「明太あんかけだし巻玉子(450円)」をチョイス。アツアツのあんかけがかかっていて、とってもおいしそう!
それにしても明太とだし巻き玉子の組み合わせは福岡で馴染みがありますが、あんかけに明太が混ざっているのは珍しい。「注文が重なってもお待たせせず提供できるように、明太をあんかけに混ぜた」とのこと。
卵の味がしっかりとした甘めのだし巻き玉子のまわりに、明太子の旨みたっぷりのあんがかかっている。旨み × 旨み。とてもリッチな気分になるだし巻き玉子でした。
お次はおすすめメニューの「博多豚バラ巻おでん(350円)」。九州産の野菜を豚バラで巻いた「あごだし亭きさいち」オリジナルおでんです。今回はえのきバターとねぎ巻きを注文してみました。
えのきバターとおでん、こんなに合うんだ......。
大将はおでんの研究にとても熱心で「外食でおでんのタネになりそうなものをいつも探している」とのこと。今後さらにオリジナルメニューが生まれそうです。
えのきバターを頼んだら、忘れずにだしを飲んでみてください。だしのやさしい味と、バターのほどよい塩味がマッチして、とんでもないおいしさなんです。たぶん、びっくりしちゃいますよ。
お次は「定番ネタ3種(各220円)」を注文。透き通っただしが美しい。ネタは玉子、がんも、大根をセレクト。
しみしみのがんもは、噛んだ瞬間口の中にだしがジュワッと広がります。噛めば噛むほど味が出る。
あごだし亭きさいちさんは、おでんの仕込みにこだわっています。仕込み時間は毎日2時間。油ものや練り物の油抜きをしっかりとすることで、だしが白濁するのを防いでいるのだとか。だからあんなに透き通った雑味のないおいしいあごだしになるんだ......。
専門店ならではの職人技が、きらりと光っていますね。
3品目に注文したのは「めんたいだしボナーラ(980円)」。
ちゃんぽん麺がピリリと辛い濃厚明太クリームとよく絡む!麺といえば福岡ではシメのイメージですが、「飲みながらつまめる麺メニューをつくりたかった」と語る大将。明太クリームのほどよい辛さがつまみにぴったりです。筆者もハイボールがぐいぐい進んじゃいました。ごちそうさまでした。
「あごだし亭きさいち」の大将、私市(きさいち)さんは関東ご出身。旅行で訪れた福岡の屋台に魅了され「ここで屋台を開きたい」と決意しました。当初は焼鳥、ラーメン、おでんなどさまざまな料理を出す屋台にしようと考えたそうですが、はしご酒のニーズに応えるべく「おでん専門店」に特化したそうです。
休日には屋台巡りをするという私市さん。生粋の屋台好きだからこそ「誰でも入りやすいお店にしたい」という強い思いがあります。のれんを1箇所にしかつけず、中が見える屋台にしているのは、そういう理由があったんですね。愛が深い......。
「なるべく怖がられないよう、表情には気を付けています」と茶目っ気たっぷりに教えてくださった私市さん。取材陣にも「取材しやすいようにいろいろ言ってくださいね」と気遣ってくださいました。
昭和歌謡が流れる店内で、女性やカップル、海外からの旅行客など、幅広いお客さんが楽しまれている姿が印象的でした。
あごだし亭きさいちさんでしか味わえないおでん、ぜひ食べてみてください!
「あごだし亭きさいち」の基本情報
- 住所:〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神2丁目12−1
- 営業時間:18:30〜24:00 LO23:30
- 定休日:月曜日定休 ・他不定休
- 電話番号:080-4694-9187
- アクセス:福岡市地下鉄「天神」駅から徒歩2分
4. 天神の屋台での3軒目:ともちゃん
3軒目に訪れたのは、福岡屋台の名店「ともちゃん」さん。博多華丸・大吉さん御用達の屋台としても有名で、県民から圧倒的知名度を誇ります。
この日訪れたのは22時ごろなのですが、すでに満席でした。さらに待ちが5組。平日遅めの時間帯でこの人気ぶりとは......。さすがです。
20分ほど待って入店できました。まず目の前に現れたのは巨大なショーケース。ステーキ肉や串もの、長浜市場から直送した海鮮など、新鮮なネタが常時30種類以上陳列されています。観光客の方から「ネタの数がすごい」と好評なんだそうです。
記念すべきともちゃん1品目は「和牛サガリ(1,300円~)」を注文してみました。お皿からはみ出す1枚肉の迫力たるや......。
表面はカリっと、中はやわらか。ミディアムレアな焼き加減が絶妙です。やわらかさを出すため、肉の繊維を断ち切るようにカットしているのだとか。強火の炭火でさっと表面を焼くことで、和牛本来のやわらかさを活かしています。元精肉店ならではの、お肉への熱い情熱を感じます。
お次は「和牛すじ焼き(300円)」を。煮込むことが多い牛すじ肉ですが、焼くとどんな食感になるんでしょうか。
ん!?想像以上にやわらかです。噛むたびに脂の旨味がジュワリ。焼く前に一度ボイルすることで、やわらかい食感になるんだそう。このひと手間を惜しまないところに、人気の理由を感じます。
塩味が効いているので、酒飲みにはたまらない一品です。ゆず胡椒と一緒にいただくとさらにパンチのある味わいに。
さて、本日のシメはともちゃん名物「ラーメン(750円)」にいたしましょう。
まずはスープをいただきます。豚骨の味わいはしっかり、なのに重たさやしつこさはまったくありません。胃袋にしみわたるおいしさだ......。
ともちゃんでは「あっさりなのにコクのあるスープ」を目指しているそう。豚骨をじっくりと約2日かけて炊くことで、お酒を飲んだ後でもスルスル飲めるスープを実現しているのだとか。
表面はツルっとしていて、ほどよくコシのある麺です。なんでも、特注の伸びにくい麺を使用しているのだとか。飲みながら食べると、ついつい食べるのに時間がかかってしまいますからね。これは、ありがたい配慮。麺とスープが絡んで、とってもおいしかったです。
ふと隣を見ると、ラーメンロードができていました。ともちゃんラーメンの人気、恐るべしです。
「ともちゃん」の大将である江口さん(写真奥)は、この道33年の大ベテラン。お父様である先代が営む屋台を、中学生のころから手伝っていました。
先代が働く姿を見て、小学生のころから「将来は屋台をする」と決意していたそう。先代の味を引き継ぎ、守り続ける姿に感動しました。
「お腹に余裕があれば、ぜひ自慢の和牛を食べてほしい」と、にこやかに語る江口さん。甘めに味付けしたおでんもおすすめなんだとか。ぜひ名店の味を堪能してみてください。
「ともちゃん」の基本情報
- 住所:〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神1丁目14-18
- 営業時間:火曜~土曜 18:15~26:00 日曜・祝日 18:15~25:30
- 定休日:月曜日
- 電話番号:090-3667-5782
- アクセス:福岡市地下鉄「天神」駅から徒歩4分