年に一度の英国サッカービジネスの祭典『フットボール・ビジネス・アワーズ』が今年もロンドンで5月24日に開催された。このイベントは、マーケティングやサステナビリティなどサッカーに関するビジネスを様々な部門に分け、クラブや個人・企業の優れた取り組みを称えるものだ。最も評価された事業者にはWINNER(最優秀賞)としてトロフィーが贈られ、続いてSILVER(銀賞)、BRONZE(銅賞)と上位3位までが表彰される。
ここでは今年対象となった全18部門の中で「女子サッカービジネス部門」に注目。最優秀賞を獲得したアーセナル・ウィメン(イングランド1部)のビジネス戦略について紹介していく。
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上位を女子クラブが席巻!
フットボール・ビジネス・アワーズ2024の「女子サッカービジネス部門」では、8つの事業者がファイナリストにノミネートされていた。その中から、際立った戦略でチケットの売り上げを伸ばし、女子スーパーリーグ(WSL)の観客動員記録を次々と更新したアーセナル・ウィメン(以下アーセナル女子)が最優秀賞に輝いた。同部門の上位受賞者とその他ファイナリストは以下の通り。
最優秀賞:アーセナル女子(サッカークラブ/イングランド)
銀賞:レクサムAFC女子(サッカークラブ/ウェールズ)
銅賞:チェルシー女子
(サッカークラブ/イングランド)
その他ファイナリスト
- ウェストハム・ユナイテッド女子(サッカークラブ/イングランド)
- ローレンス・スティーブンス(法律事務所)
- マッチフィット(英メディア)
- プロフェッショナル・フットボーラーズ・アソシエーション(サッカー選手労働組合)
- スリー・ユーケー(通信会社)
アーセナルは男女ともにプレーも好調で、2023/24シーズンは男子がプレミアリーグ2位、女子はWSLで3位の成績を収めている。今回の受賞は、まさにビジネスとプレー両方の強さを世に知らしめる結果となった。 銀賞にはウェールズ1部リーグのレクサムAFC女子、銅賞にはWSLのチェルシー女子が並び、今年の上位3賞は全て女子サッカークラブに与えられた。
惜しくも受賞とはならなかったが、ファイナリストの中には2020年から2023年までチェルシーとスポンサー契約を結んでいたイギリス企業のスリー・ユーケーや、女子サッカー分野で多くのクライアントから信頼を得ている法律事務所が名を連ねており、来年はどんな事業者が栄誉あるトロフィーを手にするのか楽しみだ。