閑話休題。アニメについては動画や漫画のストーリーは今のところパクられていません。その点からキャラクターグッズなどの著作権料の支払いが現時点での主眼になります。しかし、似ているだけだとどこまで戦えるか、そして制作会社側にも戦うエネルギーと時間とお金があるか、それがモグラたたきになったらどう対処するか、このあたりが肝なのだろうと思います。例えば私どもでイチオシのアニメ画集はさすがパクりモノは少なくクオリティも高いものが揃っています。中国のゲームアニメ「原神」も著作権を取った日本版を我々は輸入販売していますが、一冊8000円近くするのに中国人がパンパン買っていきます。クオリティが良いですし、そのような企画商品は日本は他国には負けないのです。

もしも正規品を押し出したいならキャラクターグッズにもどこか隅の方に正規品の印をつけるべきでしょう。我々は「ほら、これがついているでしょ、正規品ですよ」と売り込めるのです。もちろん、その印までパクられたらおしまいですが、QRコードで製品履歴がわかるようにしたらかなり効果的だと思います。

一方、海外でのアニメブームは正規品よりもグレーな製品が溢れており、アニメに憧れ興味がある人とそれでビジネスにしている人の接点、つまり、お見合いビジネス的な要素があり、そこでアニメへの更なる興味が生まれてくれればもっと深堀し、いつかは必ず「本物」に戻ってくるとみています。海外でアニメブームだといいながらその果実を得ている日本の会社は案外少ないと思います。そのあたりは取り締まるばかりではなく、どうやってビジネスを伸ばすのか、両面作戦で対応しないと文化とビジネスの融合はうまく調和できないと思います。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年6月17日の記事より転載させていただきました。