その日は誰とも会う予定はなかったので、ヒゲも伸びておりジャージ姿だった。取材OKを出して、急いで風呂に入って身ぎれいにして応じた。このように相手のペースに合わせないと得られない仕事もあるのだ。

また、自社サービスが停止してしまうような大トラブルの時は不眠不休で迅速な対応が望まれる。悠長に「営業時間外なのでまた明日」などといってはいられない。逐一、顧客に状況報告を行い、1秒でも速くサービスを再開するために全力を注ぐ必要がある。

市場は自分中心では動いていない。マーケットのペースに合わせて仕事をするべきであり、相手を重要視している姿勢を速さに現すべきなのだ。

待たせる人に需要はない

今はスピード社会であり、誰もが速さを求めている。言葉使いが多少完全でなくてもいいから、1秒でも速く対応してくれる相手を探す。ネット回線もデジタルガジェットもやたらと多機能であるよりも、速さこそが正義である。ビジネスコミュニケーションでもそれは同じだ。

もちろんすべての取引を光の速さで対応することはできない。どんなビジネスマンもたくさんの仕事をこなし、自分自身の生活もある。だから「待たされ感」を出さない工夫が必要だ。

納期を48時間でと言われたら、必ずそれより速く24時間以内に済ませる。時間がかかるものは「明日、回答をします」と短く一言送っておけば相手は気持ちよく待ってくれる。プライベート、Lineで既読スルーして、自分の都合がいいときにしか連絡をしない人は誰からもお知らせが来なくなるだろう。

口だけ「お客様第一主義で」という会社は多いが、顧客を長期放置するビジネスは生き残ることは難しいだろう。なぜなら代わりはいくらでも見つかる時代だ。

 

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