他にも20項目ほどの数値検査があり、ほぼ正常でした。肝臓、腎臓、蛋白、血圧などにも変化は見られませんでした。血液検査をして、1時間足らずで詳細なデータが医師のパソコン上でみることができる。医療技術の進歩に驚くばかりです。

レントゲン検査の写真をみると、医師は「炎症を起こした組織が肺にまだ残存しており、それが除去されると肺の酸素機能は元通りになる。7月9日にはそうなっているはずです」との診断です。肺の画像にかすみがかかったような部分があり、そのことをいっているのでしょう。

自宅では酸素補給器と携帯ボンベセットでレンタルで借りられ、医療保険も使え一月1.5万円(自己負担率2割)です。設置場所から風呂場まで10数メートルもビニールパイプを引いていく面倒、外出時は携帯ボンベをガラガラ転がしていく面倒はありました。急性肺炎は重症度9という最悪の状態で、手遅れになれば、意識不明のまま、皆さんとお別れしているところでした。

担当医師に「地元の医院で検査と受けた時、『すでにコロナにかかっているから、早めに専門病院で治療を受けたほうがいい』と指示してくれれば、もっと軽くて済んだはずだったのでは」と質問しました。

「その医師を責めてはいけません」というのです。コロナウイルスが感染法5類に分類されたということは、自宅で処方箋の薬を飲み、重症化したら入院するという仕切りになっているのでしょう。社会全体からみると、そのほうが医療システムも混乱せず、しかも費用は自己負担(保険は効く)で国はコロナ予算(19年度から21年度までで94兆円)も少なくて済む。そうしたことなのですね。

編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2024年6月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。