日本各地のご当地インスタントラーメンをいただき、旅気分を味わおうとスタートしたこの企画。今回は、山形県に並ぶラーメン王国として注目される新潟編。いくつものご当地ラーメンを産んできたこのエリアだけに、名品との出会いが期待できそうだ。
しょうがの香りが食欲を刺激するあっさり系の雄
長岡市で愛され新潟5大ラーメンの一つして数えられるのが、「生姜ラーメン」だ。棒状の乾麺を鍋で茹で、同時にラーメン鉢にお湯で溶いたスープを用意。そのスープに茹で上がった麺を入れると完成する。なかなか強い生姜の香りが鼻をくすぐり、食欲が刺激される。
では、スープからゴクゴクっといただくと、「フンガー!」。爽やかな生姜の風味が突き抜けて、いきなりいい感じ。あっさり醤油が優しくて、飲み物かってぐらいゴクゴク行ける。
お次はインスタントではちょいと珍しい中太のストレート麺をズルルルっと啜ってみると、「あら、上品でおいしいですこと」。ただ、味がマイルドになりすぎて、醤油スープのパンチが効いていないのが少々寂しい。あれほど強かった生姜の香りも、なじんでしまったのか、いつの間にか消えてしまっていた。
総評
ご当地感★★★★★
汁の個性★★★★☆
麺の個性★★★☆☆
お土産度★★★☆☆
合計15ポイント
生姜ラーメンのブランド力の高さから、ご当地感は最高点。もちろん、スープの個性も高得点がついた。しかし、お味が優しすぎることからお土産度は伸び悩み、少々、勿体ない結果。惜しい。
大海原の景観が浮かぶ佐渡島の名物ラーメン
続いて、新潟5大ラーメンには入っていないが、ご当地ラーメンとして強い人気を誇る佐渡島の「あごだしラーメン」をいただこう。あごだしとは飛び魚の干物を使ったもので、一般的な煮干しよりインパクトのある魚介の風味が楽しめる。作り方は先ほどと同じなので割愛するが、出来上がりの香りは生姜ラーメンとは別角度ながらかなり豊か。漁村でいただいた締めのラーメンのような、磯感をダイレクトに感じる。
ではスープをングングといただいてみると、さっきと同じだけど「フンガー!」。突き抜けるような、あごだしのこうばしい香りに唖然。ベースの塩味との相性も完璧で、「こ、こりゃ美味えー!」。
勢いで麺をズルルといただくと、あごたしの香りが弱まることなく、むしろ歯切れのいい麺と絡みながら風味が広がっていく。「飛び魚、最高!」と興奮しているうちに、あっという間に完食してしまうハイクオリティな一杯だった。
総評
ご当地感★★★★☆
汁の個性★★★★★
麺の個性★★★☆☆
お土産度★★★★★
合計18ポイント
新潟5大ラーメンに入っていないことからご当地感は星四つとなったが、本物のラーメン屋でも食べられないレベルの、なかなか強烈な魚介出汁によって、汁の個性とお土産度は最高得点。結果、なかなかの高ポイントとなった。