では例えば上述の銘柄が91セントの時になぜ、そんなに思いっきりよく投資できたのかといえばこれ、ガス関連の会社で会社が倒産するような事態ではなく、単にガス相場が時の事情で大暴落したので拾っただけなのです。この手のやり方で銅の産出会社では何度も何度も利益を生み出してきたのも相場のサイクルに対して高いボラティリティで株価が5-10倍のレンジで動くのを体得しているからなのです。
今は銀に少しシフトをかけています。銀相場は金相場の数倍のボラがありますので銀を採掘する企業の株価は暴れ馬のような感じですが、コツをつかむとわかりやすいのです。
今日は投資のセンスと銘打ちました。そのポイントは業界を徹底して知ることだと思います。よく、株式投資をする方であれもこれもと見境なく上がりそうだと聞こえた銘柄を次々購入される方がいます。それでは儲からないのです。そうではなく、ある業種について熟知したうえで株価が今、どの水準にあるのか知ったうえで買い時か、売り時か、時を待つのか判断することが大切なのです。
例えば私は半導体銘柄は一切やりません。これもボラが高い業種ですが、私は投資対象としてわからないからやらないのです。ハイテク投資もほとんどやらないのはハードの時代からソフトの時代、そして高性能半導体の時代に変わってしまい、ハイテク銘柄そのものが爆騰する時代ではないとみているからです。
私がかつての職場で不動産のセクションにいた時、上司からこんなことを教えられました。「お前は東京の人間だから東京の物件に注目しろ」と。当時、西船橋にマンションを購入したことがあるのですが、上司が「おまえ、東京に注力しろといっただろう」と怒られてしまいました。東京の不動産のプロになれば千葉や埼玉には目をくれなくてよいというぐらいの勢いでした。その言葉は私にとっては格言であり、確かに今、東京で投資している不動産は全部徒歩10分以内だし、バンクーバーも全部同じエリアに収まります。唯一今回始めたシニア向けグループホームは車で30分かかりますが、その地域はもう何年も見続けてきて次の投資エリアは引き続きここだろうな、と考えられるほど熟知し始めています。つまり、非常に狭い範囲ながらその地域では絶対のプロになる、そういうことです。
投資のセンスはビジネスのセンスにもつながるのですが、一言でいうと「あぶはち取らず」にならないようにしたい、ということかと思います。そして常に情報を探り続ける、それが重要ではないかと思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年6月9日の記事より転載させていただきました。