脱炭素は、世界中の人々が取り組むべき課題であるだけではなく、新たなビジネスチャンスをもたらす潮流にもなっている。
BCGとCO2 AIの共同調査では、炭素排出量の削減目標達成によって年間1億ドル以上もの利益が得られたと企業の40%が回答している。この調査では他に企業価値の上昇や規制遵守、優秀な人材の獲得、税制上の優遇などのメリットも強調された。
企業による脱炭素の取り組みが進む中、インド北部の大都市グルガオンに本社を置くスタートアップAccaciaは、不動産業界向けに脱炭素SaaS型プラットフォームを提供している。
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Image Credits: Accacia
AIで不動産の炭素排出量の削減と管理をサポート
温室効果ガス(GHG)排出量は、1から3までのスコープに分類して算出される。スコープ1は自社が直接排出する量、スコープ2は間接排出量、3は仕入れや販売後の排出量だ。
AccaciaのプラットフォームではGHGプロトコルに基づき、公共料金の履歴やビル管理システム、ERPからスコープごとのGHG排出量を自動追跡する。特に、サプライチェーンの上流・下流での排出であるスコープ3は、カテゴリをカスタマイズして不動産業界向けに特化した。
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各分野のエキスパートが結集したチーム
AccaciaのCEOを務めるのは、建築の専門家Annu Talreja氏だ。デリー出身の同氏は、世界有数の建築エンジニアリング企業AECOMのシンガポールオフィスをはじめ、建築業界での経験を持つ。Accacia設立以前にも学生向け住宅を扱うOxfordcapsを立ち上げ、シンガポールとインドで事業を展開したのち売却した連続起業家だ。
また、共同設立者でCTOのPiyush Chikara氏およびディレクターのJagmohan Gaarg氏は、Oxfordcaps時代からTalreja氏と共に行動してきた仲間。
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建築・IT・マーケティングの専門家により2022年に設立されたAccaciaは急速に成長。わずか2年後の2024年4月にはプレシリーズAラウンドで650万ドルの資金調達に成功している。
Talreja氏は現地メディアの取材に対し、「Accaciaのソリューションはすでに2,500万平方フィート以上の不動産をカバーしており、グローバルに拡大する準備ができています」と語っている。
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