またひとつ、忘れ去られようとしている“第三種接近遭遇”事件がある。かつてスペイン・サマランカで起きたUFOとエイリアンの目撃事件、“サマランカ事件”だ――。
■トラックが原因不明のエンストをした直後に“第三種接近遭遇”
米空軍による未確認飛行物体に関する一連の体系的な研究の1つである“プロジェクト・ブルーブック”は1969年に幕を閉じた。その結論はUFOは国家安全保障を脅かすものではなく、現在の科学技術の水準を越えた存在ではなく、地球外生命体由来の存在でもないというものである。
しかし米軍はその後も引き続きUFOに関心を持ち、調査を行っていたことがかつての機密文書から明らかになっている。
プロジェクト・ブルーブックの幕引きから5年後の1974年に作成されたアメリカのCIA文書は、スペイン西部のサラマンカで発生したUFOとエイリアンの目撃、いわゆる“第三種接近遭遇”事件の調査報告書であった。以下は事件のあらましだ。
1974年3月21日午前2時頃、建設会社のトラックドライバーとして働くマキシ・イグレシアス(当時21歳)は、仕事帰りに彼女の家を訪問した後、トラックを運転して帰宅途中にあった。
道半ばに達したところ、突然眩い光がスパークしてイグレシアスは一瞬、何も見えなくなった。対向車のライトかとも思ったのだが、続いてトラックがエンストを起こして減速し路上で停止してしまう。ヘッドライトも消え電気系統が完全に機能停止した。
うんともすんとも動かないトラックにお手上げのイグレシアスは信じられない光景に直面することになる。
200メートルほど前方に、光を放つ直径12メートルほどの円盤型のUFOが三脚のような頑丈な脚を路面に着けて停まっていたのだ。
度肝を抜かれたイグレシアスだったが、うかうかしているわけにはいかなかった。なんと円盤の中から2体の人型のエイリアンが降りてきて、彼らのうちの1体がこちらを指したのだった。
逆光で見えるエイリアンは身長が2メートル近くもあり、威圧感のあるシルエットであった。どうなることかと思ったイグレシアスだったが、彼らは再び船内の中に入り、その後このUFOは飛び去っていったという。
彼らが完全に去ってしまった後、トラックのエンジンがかかるようになり、ヘッドライトも点灯し、イグレシアスは無事に帰途に就いた。いったい彼らの目的は何であったのか。