6月1日にフクダ電子アリーナで行われた2024明治安田J2リーグ第18節で、ジェフユナイテッド千葉(現7位)はファジアーノ岡山(現6位)と対戦。上位チームに食らいつくため何としても勝ち点3が欲しい千葉だったが、なかなか岡山の守備を崩せず、前半18分にMF田口泰士のゴールで先制したものの後半56分に失点し同点に追いつかれてしまう。拮抗した展開のなかで迎えた64分、相手DF田上大地が退場した直後の67分にFW小森飛絢が今シーズン9得点となるゴールを決め見事逆転に成功し、次節レノファ山口(現5位)との試合を前に貴重な勝利を手にした。
この試合では、負傷のため第13節より欠場していたキャプテンDF鈴木大輔がベンチ入り。試合から3日後の6月4日に行われた公開練習でも精力的に汗を流していた鈴木に、離脱期間に感じたことや今後に向けての意気込みを訊いた。
6試合ぶりに復帰したキャプテン
岡山との試合に勝利したものの、千葉にとっても今節は痛みを伴う試合となった。後半87分、DF佐々木翔悟が不運な形でこの日2枚目のイエローカードをもらい退場。これにより佐々木は次節出場停止となってしまった。千葉では現在ルーキーDF久保庭良太の離脱もあり、センターバック(CB)として頭角を現していた佐々木の出場停止はチームのCB不足に繋がる事態だ。
そんななか、4月27日開催の第12節仙台戦(2-0)での負傷から6試合ぶりにキャプテン鈴木が復帰。出番こそなかったが、このタイミングでのキャプテン復活はCB不足という緊急事態を救う要素になり得るだろう。
鈴木が離脱している間、チームは3勝2敗1引き分け。チーム内の変化について鈴木は次のように語った。「アウェイでの結果は出ていないにせよ、チーム全体のマインドは変わってきている。仙台戦前もいい雰囲気でやれていましたが、さらにスイッチが入って雰囲気が良くなっていると感じています。ここから結果を出して継続していけば、そのタイミングで僕たちは上に行ける」
離脱によって得たもの
第12節以降、上位クラブとの戦いが続いていた千葉。「ここ最近のアウェイでは、相手に勝負強さを出される試合が続いている」と語る鈴木の言葉通り、第13節いわき戦や第15節ヴァンフォーレ甲府戦(2-2)では相手に主導権を握られる展開も少なくなかった。しかしその中でも、メンバーを大幅に入れ替えて臨んだ第14節横浜FC戦での勝利(1-0)に象徴されるように、チーム内で生まれ始めた良い循環によってチームとしての型も成熟しつつある。
また、この変化をピッチ外から見守っていた鈴木にとっても収穫の多い期間だったようだ。「自分が怪我をしているからこそ見ることができるチームの状況や話せる選手もいました。この1ヶ月の間に色々な選手が出場していたと思うんですけど、メンバー外の選手たちの努力や活躍を見ることができました。例えば、メンバー外の選手たちと一緒に練習したり対戦相手の役を僕がやったりすることは、試合にずっと出続けていると難しい。彼らは複雑な気持ちを抱えながらもチームのために精一杯やってくれていました。改めて『チームで戦っている』と感じることができましたし、その経験ができただけでもこの怪我は僕にとってプラスのものです」と、この離脱期間がキャプテンとしての鈴木にもたらした好影響について語った。